2014年04月14日
●続和文解釈入門第419回
「ロシア語を正しく聞き取れて、正しいロシア語を話せる」というがロシア語を学ぶ上での一つの目標である。特にガイドや通訳を目指す人はそうであろう。これは日常会話のことであって、ロシア語の政治経済、技術、観光の専門用語を使う以前の話である。特に「正しいロシア語が話せる」という点だが、単数と複数の使い分け、体の使い分けができていて、少なくとも日常会話ではロシア人から変なロシア語だと言われない程度のロシア語のことを言っているのであって、特別なロシア語のことではない。自分の学生時代や今現在巷で見るロシア語教材や参考書では、これらが分かるのかというと非常に心もとない気がする。
出題)「レニングラードへの爆弾投下は5千から7千メートルの高度から行われた」をロシア語にせよ。
Сбрасывания бомб
в Ленинград провели
с высоты 5-7 тысяч
метров.
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爆弾は上から平面に落ちます。ですからвではなくнаです。私の答えは、Бомбометание на Ленинград производится с высот от 5000 до 7000 метров.
歴史的現在を使ってみた。歴史的現在でも過去の規則的反復を示す事ができる。
В ленинград бомбардировали с высоты от пяти тысяч до семи тысяч метров.
よろしくお願いします。
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бомбардироватьは他動詞ですからвを取るべきです。
Бомбы сбрасывали на Ленинград с высоты 5000-7000 метров.
反復、かつ話題は「高度」にあるので、不完了体過去形にしました。
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正解ですが、反復の意味だけでしょう。
Выпуск бомбы на Ленинград был проведён с высоты в пять-семь тысяч километров.
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間違いとは思いませんが、выпускには工場における製造、生産という意味もあるので避けたほうがいいでしょう。
お答えのвысотは複数生格でしょうか?
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いいところに気がつきましたね。высотаは高さという意味では単数のみですが、高度(地上からの高さ)という意味では複数も取ります。爆弾投下が1回であれば、5千メートルから7千メートルの間のどこかで落としたということになりますが、複数回であれば、5千メートル、6千メートル、7千メートルなど複数の高度で落としたということになります。複数回爆弾を落として、まったく同じ高度から爆弾を落とすことは理論的には可能でも、実際には無理でしょうから、出題を反復と理解した場合には高度は複数にした方が自然だと思います。もちろんアオリスト的(結果の存続)と理解すれば1回であり、出題の日本語がどちらとも理解できるからです。ただ回答する場合はどちらかかはっきり理解する必要があります。