2014年03月21日
●続和文解釈入門第395回
『三訂和文露訳入門』9-4項に下記追記乞う。
людиにも日本語の世間 (= все другие, окружающие) に近い意味があり、不定人称文の主語に相当する働きが可能である。
(人がなんて言うだろう)Что люди скажут. <熟語的表現>
またчеловекにも「だれか」он, кто-то, нектоという意味があるが、上記の「人」の用法とは違い、三人称単数を意味する。особаは人を指し、名前が分からないか、言いたくない場合、あるいは「お方」というように女性を示す時に用いられる。
(突然私は、だれががお尋ねですよと言われた)Вдруг говорят мне: человек вас спрашивает. <歴史的現在の用法>
出題)「ある程度コツをつかめば、さらに電気湯沸かしで玉子を茹でることもできた」をロシア語にせよ。
Если я до некоторой
степени освоил бы
секрет, я мог бы еще
сварить яйца с помощью
электрического
чайника.
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コツは第377回本文で紹介したように、ちょっとしたというニュアンスがありますし、秘密を習得したというのとは違うと思います。электрический чайникというのは電気ポットのようなものですから、こういうので卵をゆでるのは、特にコツは必要ないという気もします。私の答えは、А ещё с помощью кипятильника при известной сноровке удавалось сварить яйца.
кипятильникというのはネットで見てもらえば分かるようにコイル状になっており、ソ連時代に使われた紅茶用の湯や、大きいものではお風呂のお湯を沸かせるようなもので、электрический чайник(電気ポット)と違い、湯をためておく容器の部分がなく、水に突っ込んで沸かせるという代物である。金属の部分だけでなく、全部を水につけると漏電して、火事の元であり、ホテルなどでは使わないようにと書いてあったが、守った人はいないように思う。ばれなきゃよい、事故が起こらなければよいという感覚だったようだ。
Если понимаешь как с водогрейкой работать в некотором роде, к тому же,с этой успевали сварить яйца.
よろしくお願いします。
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водогрейка, водогрейというのはサモワールという意味もありますが、基本的には湯沸かし器(お風呂や水道水の)という感じです。確かにこれで卵をゆでるのにはかなり難しかろうと思います。с этойよりはс нейのほうが、もっというと手段と言う意味を明確にしたпри помощиというような前置詞句を使ったほうが自然です。
よろしくお願いします。
Раз уловишь какую-то суть, то и смог даже яйцо сварить в электрочайнике.
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本質をつかまなくても電気ポットで卵をゆでることは可能です。それと時制がおかしくありませんか?主文が過去(結果の存続でしょうか?)で、従属文が完了体未来形です。卵がゆでるのが先で、その後本質をつかむという動作の順序は相対時制でもおかしいのでは?
Когда приобретал навык до какой-то степени, ещё возможно было варить яйца с электрическим кипятильником.
несов、最初のは同時だととらえて、2つ目は繰り返してできるようになったと考えて。
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варить/сваритьは『三訂和文露訳入門』7-1項にある志向の動詞です。そのため、ゆでるという結果達成を示すには完了体不定形である必要があります。それとсだけよりも с помощьюのように、手段を明確にした前置詞句を使ったほうが、聞いていて意味が取りやすいと思います。
приобретать/приобрестиはアカデミー露露辞典にはстановиться/стать обладателем каких-либо качеств, особенностей и т.п.(人に関して)やполучать/получить какое-либо свойство, особенность(ものや現象に関して)とあり、この二つの動詞とも志向の動詞ですから、приобретать/приобрестиも志向の動詞だと思います。そうなると従属節の不完了体というのは結果の達成にならないように思えますから、「つかむ」のはなく、「あれば」というような状態の動詞にする必要があると思います。