2014年02月05日
●続和文解釈入門第357回
不完了体は話し手が動作遂行の結果として、時間軸の特定かつ不動の一点をイメージしない、つまりそのような一点を示すような時の状況語と不完了体は相性が悪いと言っているわけである。しかし、動作遂行の結果をイメージしないのなら、『三訂和文露訳入門』の4-1-2項の予定の用法(動作の有無の確認)や、5-1-2項の勧誘の用法(動作が任意である)のように時間軸の特定かつ不動の一点を示す状況語と共に用いてもよいということになる。
出題)「この話は終わりだ」をロシア語にせよ。
Закончим с этой темой.
よろしくお願いします。
---------------------------------------
закончитьはсを取りません。それとзакончитьは完全に終えるという意味ですから、途中で終えるという意味にはなりません。私の答えは、Я этот разговор прекращаю!
遂行動詞。
(1) Вот и всё.
(2) Этот разговор
закончен.
---------------------------
(1)はこれでお話は終わりということで、そういう意味なら正解です。しかし途中で話を打ち切るときには使えません。これも遂行動詞的用法と言えます。(2)は完全に終わったというのが結果の存続で表されているために、文脈によってはだいぶ前にこの話は終わったとも、経った今終わったとも解せます。発話が始まって発話の終了とともに動作が終わるというのが遂行動詞ですから、закончитьのように完全に終わるという動作では遂行動詞では一般的に使えないような気がします。「話が終わりだ」は「終わっている」というような結果の存続ではなく、これから終わりにするか、遂行動詞的な意味だと思います。
Эту историяю кончили.
Давайте эту историю кончим.
たった今終わりにした、又はこのあとすぐ終わりにするからсов。
----------------------------------
историюのタイプミスがあります。историяには話という意味もありますが、話し言葉では出来事(主にもめごとなど不愉快な出来事)という意味で使われるのが普通です。完了体過去形はアオリスト的用法と結果の存続があり(結果の存続はアオリスト的用法の一種というのが私の考えですが)、どちらかは文脈によります。会話では結果の存続ととらえるのが普通です。話を全部話して終わりにするという意味では正解でしょうが、いずれにせよ途中で打ち切るという意味では使えません。
「終わりだ」は「これからすぐ終わりにする」であって、「終わりだった」、「終わっている」という意味にはならないはずです。