2014年01月27日

●続和文解釈入門第348回

 『三訂和文露訳入門』にて「不完了体は話し手が動作遂行の結果として、時間軸の特定かつ不動の一点をイメージしない」と定義したが、これをいろいろな例文で証明するためには、一見例外的に見えるものでも、この定義が正しいのであれば、その定義に沿ったその説明をしなければならない。つまりこの定義はそのような一点を示す時の状況語と不完了体は相性が悪いと言っているわけで、そういう場合なぜそういうことが起こるかその理由を明確に説明する必要がある。それは不完了体の文で一見時間軸の特定かつ不動の一点をイメージしているかのように見えるものもあるからである。

(10時までに来て下さい)Приходите к десяти.
(明日遅くとも10時には来て下さい。お願いしますよ)Я попрошу вас: придите завтра не позже 10 часов. <『三訂和文露訳入門』3-1-4-6項に書いたように、попроситьには強制的ニュアンスがある。>

 初めの文では動作は10時までにある時間軸の任意の一点で行われ、二つ目の文では動作は10時までの時間軸の特定かつ不動の一点で行われる。つまり不完了体は任意性を示し、完了体は具体性を示すという体の本質を表していることになる。

出題)「俺が犯罪者になるところまで奴らは俺を追い込んだ」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2014年01月27日 07:26
コメント

Они меня прижали к
тому,что я стану
преступником.
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прижатьには迫害するという意味がありますが、脅迫してということで、原因が貧乏とか、何かの心理的状況が理由であれば使えないことになります。それと、お答えではまだ犯罪者になっていない(未来の時制においてなる)とありますが、日本語では確述の用法で、出題のように「~した」が使えない場合もあると思います。私の答えは、Они довели меня до того, что я стал преступником.

Posted by ブーチャン at 2014年01月27日 09:26

Они завели меня куда, где я стал преступником.
Они завели меня в ситуацию, когда я стал преступником.
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発想はよいと思いますが、завестиの基本的な意味は飛んでもないところに連れていくということであり、「~まで連れて行く」という、ある段階までというのであれば、довестиを使うべきです。

Posted by ゴ at 2014年01月27日 23:16
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