2013年12月26日
●続和文解釈入門第317回
最近マンガはほとんど読まないが、例外は読売新聞日曜版に連載中の『猫ピッチャー』(そのしけんじ)である。ニャイアンツの投手である猫のミー太郎が主人公で、私は動物好きではないが、しいてどの動物がいいかと問われれば、人に愛想良くするわけではないし、ある意味自分勝手に行動するという猫が好ましいということもある。この他に読売新聞夕刊水曜連載の『水よう日の花子さん』も絵は下手だが、今風の独身女性のほのぼのとした感じが出ていてよい。
マンガがいけないとは決して思わないが、マンガしか読まないとか、マンガは読まないということが問題だと思う。常識的に考えればマンガでも面白いものはあるし、小説やノンフィクションでもそれは同様である。主人公のみならず脇役も美男美女ばかりだと、悪い意味で現実性を帯びにくくなり、主人公も内面のない見た目だけの平板的なものになる。つまりマンガもデフォルメが少ないと、つまり写真により近くなるような単純なパターン化が絵や内容において進めば、想像力を削ぐということはマンガでも小説でも変わらない。そうすると、想像力(つまり頭)を使わなくなるということは言える。想像力に働きかけないようなものはマンガでも、小説でも凡作ということになるのではなかろうか。それと本好きな自分としては、テレビ番組で素人の家庭訪問などを見るときに、家は立派でも本が全くないとか、マンガしかないというのはどうかなという気はする。もっともヲタクというならそれは一芸に秀でるという意味でそれはそれで立派であると思う。
出題)「人前で化粧を直すのが恥ずかしいことだとは思っていなかった」をロシア語にせよ。
Я не думала, что
оправлять косметику
при людях -
это стыдное дело.
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оправлять = поправлять одежду (постелье)ですから、語結合的にどうでしょう?私の答えは、Поправлять макияж прилюдно не считалось чем-то зазорным.
Она не додумывалась до того,что ей стыдно публично подправить косметику.
よろしくお願いします。
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不適切を示す不定法は『三訂和文露訳入門』6-1-8項にあるように不完了体が来ます。подправлятьとすべきです。それと主語に女性が来ていますが、多くの場合それでよいのでしょうが、現代は男も化粧をする時代ですから、固定観念は持たない方がよいかと思います。
Я не думала, что поправлять макияж на глазах других неудобное дело.
неが続く…あんまりかっこよくない。それと直すということで。подпудриватьсяとか。
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「人前で」はна людях, прилюдно, при всех, при народеがありますが、на глазахならна глазах у всехとしたほうが自然です。
文章は間違いではありませんが、やや直訳的です。不定法を使ったほうが自然です。例えばнеуместно (неудобноでもよいですが、不便という意味が先に来ますから、誤解のないように) поправлять макияж。
припудриваться, подпудриватьсяは白粉をちょっとつけるということですから、厳密に言えば口紅やアイラインを直すという意味では使いません。
(お題)
人前で化粧を直すのが恥ずかしいことだとは思っていなかった
(コーシカ訳)
Я не чувствовала стыдно подкраситься на людях.
過去の状態や習慣を指すため不完了体過去のчувствовала。
「化粧を直す」は(実際は1日に何べんもやってそうですが)
ひとまとまりの具体的な行為と考えるであろうと踏んで完了体不定形подкраситься です。
さて、正解は
あ、しまった。подкраситься やと0から1になってしまいますね。
時事ネタで復習します:
彼はこのタイミングでそこを訪問するのが不適切だとは考えていなかった。
Он не считал неуместно посещать там в тот момент.
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подкраситьсяはкраситьから派生した語ですから、口紅や頬紅を塗るということなります。語結合的にはчувствовать себя как (каким-либо)かчувствовать стыд к себеでしょう。それとпосещатьは他動詞ですから、副詞ではなく、名詞の対格это местоを要求します。
コメントありがとうございます。手直ししてみます:
人前で化粧を直すのが恥ずかしいことだとは思っていなかった
Я не чувствовала себя стыдной поправлять макияж на людях.
彼はこのタイミングで参拝するのが不適切だとは考えていなかった。
Он не считал неуместно посещать храм в тот момент.
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считать неуместнымとすべきです。моментは基本的な意味は瞬間ですから、времяぐらいの方がよいように思います。