2013年12月22日

●続和文解釈入門第313回

『三訂和文露訳入門』の4-1-4項で未来の反復を扱っているが、時制の転用を利用して現在の時制で、未来の反復を示す事ができる。

(必要なら、一声かけてください。すぐ参ります)Что надо - кликните, я мигом.

出題)「彼はターミナル駅の100メートル手前で自分の車から離れた」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2013年12月22日 08:10
コメント

За сто метров до
(терминального)
вокзала он отошел
от своей машины.
--------------------------------
正解です。ただ厳密に言うとотошёлは対義語のподошёл同様、離れたり、接近したりというのが聞き手や話し手に見えているというニュアンスがあり、見えていないくても、会社などでОн отшёл.と言われたら、トイレか、他の部署か、タバコを吸いに行っているのかはともかく、10分かその程度で戻ってくるというニュアンスです。ですから車を離れたという場合でも、明確に距離を確定させるような文脈で使うのは稀です。車を離れたでотошёлを使うのであれば、自販機でタバコやジュースを買うために離れたという感じで、すぐ戻ってくるというニュアンスがあります。私の答えは、Он бросил свою машину, не доезжая ста метров до вокзала.

Posted by ブーチャン at 2013年12月22日 09:38

(お題)
彼はターミナル駅の100メートル手前で自分の車から離れた
(コーシカ訳)
За сто метр до вокзала он отошел от его машины.

第295回で習ったза ... до ... が使えると思います。
отошел はアオリストの完了体過去です。

本文中の例文は5-2-2例示的用法の命令ですね。
ある条件下での動作の完遂に比重があり、繰返すかどうかは問題にしていないために完了体
とも考えられそうです。
完了体ですから話者の意欲(声かけて下さいよ、絶対行きますから!)が
不完了体(お呼びになってもならなくても別にどっちでもいいですけど、まぁ一応…)より
強く前面に出せそうです。
------------------------
正解です。本文の例文はおっしゃるのように例示的用法なのですが、что надоと条件がある以上、不完了体命令形は使えないと思います。例示的用法は条件があれば動作が起こるということなので、この場合は絶対~するというような条件を無視した用法ではないのです。

Posted by コーシカ at 2013年12月22日 21:26

За сто метров до вокзала он оставил свою машину.
проверятьとчто,чтобыとлиの説明ありがとうございます。ところで、сяがつくとこういう意味になるのですか?
-----------------------------------
正解です。проверятьсяで尾行がないことを確認するという意味ではアカデミーの露露にも載っていませんが、Юлиан Семёновの書くスパイ小説(映画にもなったШтирлицは小話でもよく使われます)にはよく出てくる表現で、セミョーノフは作中でロシア語のよくできない外国人にその意味を説明しています。一般的にはЗа вами не следили?の方がよいかもしれません。

Posted by ゴ at 2013年12月22日 23:38

Он отошел от своей машины за сто метров до вокзала.
--------------------------------
正解ですが、移動の場合はне доезжая, не доходяという表現の方が普通だと思いますが。

Posted by Ml at 2013年12月23日 01:11

まとめてみます:
未来の反復を表すのに命令形を例示的な意味で用いる際
・完了体であれば、条件重視
(ある条件が発生する明確な一点とその結果の完遂とを意識するため)
・不完了体なら、繰返し重視
(ある条件を受けて当然期待される行為そのものを意識するため)

что надо の後に不完了体が来られないのは
что надо (条件) – кликните (結果), と1セットで順次(例示)的用法を構成しているため
(必要な状況の下では必ず呼ぶが、不要なら呼ばなくてよい)と考えます
(例示的用法のかたちA + BのAの方に
что надо, – кликните というa + b の例示的状況が入れ子になっている状況
とも言え…るかな?)。

5-2-2で挙げて下さっている例文
必要なら輸血しなさい При необходимости делайте переливание крови.
熱があれば医者を自宅に呼びなさい При температуре вызывайте врача на дом.
インフルエンザの最初の兆候が出たら、医者にかかりなさい
При первых признаках гриппа обращайтесь к врачу.
は3つとも、
特定の条件 + 不完了体の命令 = その条件下での未来での反復の指示(必要なら何度でも)
に見えます。
これら3つの文の場合は
初めから繰返し(動作の常態化)に力点があるゆえに不完了体命令
(甲という条件の下では乙という行動を取るのが当然の流れ)と理解します。
-----------------------------------------
疑問に思っている点は理解できます。反復は偶発的(散発的)反復、常にではないが、何かあったらという特殊な(具体的な)条件下があれば完了体を用い、規則的反復や、数多くの場合というのであれば不完了体をを使うということです。
5-2-2の例文は特殊な条件下ではないと話し手が考えていることになります。つまり輸血、熱が出る、インフルエンザの兆候は日常的(一般的に)に起こり得ると話し手が考えていることになります。ところが Если что, я помогу.(何かあったらお手伝いします)と話し手が言うのは、それほど頻繁に起こるとは考えていない、つまり何か起こるというのは特殊な条件下であるとみなして言うことになります。体の用法というのは、話し手の動作に対する感じ方、とらえ方だと前にも指摘しましたが、それによって体の使い分けをすることになります。

Posted by コーシカ at 2013年12月23日 23:17

>体の用法というのは、話し手の動作に対する感じ方、とらえ方
そうでした。
ご説明ありがとうございました。

Posted by コーシカ at 2013年12月24日 21:22
コメントしてください