2013年12月11日
●続和文解釈入門第302回
『三訂和文露訳入門』3-1-3-5項で現在から未来への動作(継続)について書いたが、次の文中のнемойなどもそれに相当する。これは状態(の動詞)が今現在も含めて、現在の時制で過去から現在のみならず、現在から未来への継続も示す事ができるということを意味する。つまり状態の動詞は3-1-3-3項や3-1-3-5項から分かるように、過去から現在へと動作の状態が続いており、それがさらに未来へも続いていることを暗示ないしは明示する。
(取れよ。誰も分かりはしない。俺は死人のように黙っているから。一言だって洩らすものか)Бери, никто и не узнает, я, как могила, немой, я слово не пророню.
(何かあったら、俺はいつでも連絡が取れるようになっているから)Если что - я на связи.
(チョキンでハイサヨウナラ)Чик – и нету. <нетуはнетの口語的用法>
出題)「僕はもう彼女と口をきいているよ。仲直りしたんだ」をロシア語にせよ。
Я уже с ней общаюсь.
Мы примирились.
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体の用法はその通りですが、общаться = поддерживать вщаимноеые отношения, иметь постоянное общение, встречаться с кем-либо, чем-либо, друг с другомということなので、口をきくよりは意味が広いように思います。私の答えは、Я уже с ней разговариваю, мы помирились.
過去から現在に至る継続および反復の用法。『三訂和文露訳入門』3-1-3項参照。
(お題)
僕はもう彼女と口をきいているよ。仲直りしたんだ
(コーシカ訳)
Я уже с ней говорю. Мы (с ней) помирились.
говорю と不完了体現在を取るのは
・彼女とは依然仲違いをしているのかなどの問いかけに対する返答と思われるため
・会話する行為そのものを指しているため
・発話より前から会話できる状態が回復し、今もそうであるため
・「もう」と動詞以外に力点が来ているため
などの要素が関係すると考えます。
помирились は完了体過去による結果の現存です。
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正解ですが、「発話より前から会話できる能力が回復し、今もそうであるため」が近いでしょう。ただ出題は怪我をして口がきけなくなったという能力の問題ではなく、口げんかが原因だということは明らかです。ですから、この不完了体現在形は仲直りした時点の過去から現在への動作の状態を示す動詞だと思います。
Мы с ней уже начали разговаривать. Мы помирились.
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非常に理詰めな回答です。完了体過去形の順次的用法を使ったわけですね。正解ですが、これだと元通り普通に会話しているという感じは出ません。喧嘩をした後、口を利き始めたというのですから、あいさつ程度という感じがします。出題の和文をどうとらえるかによるのでしょう。
С ней я заговорил потому что помирился.
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これも完了体の順次的用法ですが、仲直りした後、すぐ話をし出したという一場面を描写していることになります。それとпотомуの前に(強調するならпомотуとчтоの間)カンマを入れる必要があります。
Я уже с ней разговариваю. Мы помирились.
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正解です。
Я уже говорю с ней.Теперь я общаемся с ней так, как раньше.
よろしくお願いします。
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正解と言えば正解です。теперьと状態の動詞を使って、結果の存続を示されたのだろうと思います。例えば、Теперь ты папа.(今やあんたはパパだ)
この出題の場合は、仲直りするという動詞の完了体過去形を使って結果の存続の意味を出した方が聞き手に分かりやすいと思います。