2013年12月05日

●続和文解釈入門第296回

「~して~した」というように二つの動作が続く場合、順次的用法として、最初の動作が終わらないと、次の動作が始まらないので、そのため最初の動作には完了体過去形が来る。二つ目の動作が完遂しているなら完了体過去形を使えばいいが、ある程度時間がかかるような場合は、начатьの過去形を使うことでうまく行く場合もある。

Разом овладели туловищем дорогого гостя и начали его раскачивать.(親愛なる客人の体を奪い取り、胴上げをし始めた)
出題)「1カ月の猶予を差し上げます」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2013年12月05日 08:44
コメント

Я дам отсрочку на
один месяц.
----------------------------------
ご回答だと、完了体未来形の完遂の用法ですから、発話が終わった瞬間に「猶予をやる」という動作はなされておらず、動作がなされるのは、一瞬後か、1時間後か、1日後か、1年後かは知りませんが、未来ということになります。ところが出題は、発話の終了した瞬間、話し手にとっても、聞き手にとってもこの瞬間から1カ月の猶予期間がスタートしたことが分かります。今現在の発話の時点から動作が始まり、動作が終わり(遂行し)、発話終了と同時に伝えたい内容が聞き手に理解されるという意味で、その動作の結果が残るという遂行動詞を使う必要があります。私の答えは、Мы даём вам сроку месяц.
отсрочкуだと何かの期限の猶予となり、сроку(部分生格)だと動作をしたり、考える時間(期間)となる。

Posted by ブーチャン at 2013年12月05日 09:34

Мы даём вам месяц на размышление.
--------------------------------
正解です。ただお答えは考える時間ということで、行動する時間という意味にはなりませんが。いずれにせよ遂行動詞をマスターされたようで結構なことです。ロシア語の作文で遂行動詞が出題されるという例は知りませんので、資格試験などでは役に立たないでしょうが、実戦では大いに役に立つと思います。少なくともなぜ現在完了のように感じられるときに不完了体現在形が用いられるかが納得されるでしょう。даватьは基本的に過程では用いられない(『三訂和文露訳入門』の4-1-2-2項参照)ので、なおさらです。

Posted by ゴ at 2013年12月05日 23:26

Даю вам месяц сроку.
---------------------------------
正解です。

Posted by Ml at 2013年12月06日 03:54

(お題)
1カ月の猶予を差し上げます
(コーシカ訳)
Мы даем вам месячнцый срок.

うゎ、遂行動詞や!
発話の時点から1カ月 ← 発言は今現在 ← 完了体では今この一瞬を表せない
具体的動作やから完了体未来!とやって×になるところでした(投稿直前で気付いてよかった…)。
「1カ月の猶予」は
生 месяц сроку (期限の1カ月を)
造 сроком на месяц (期限として1カ月を) も使えそうに思います:
ニュアンスの違いは合ってますでしょうか。
さて、正解は
やっぱり遂行動詞!
-----------------------------
正解です。スペルはмесячныйで、これは凡ミスでしょう。ただсрокомを使うためには、何か直接補語を入れるか、その文脈でそれが分かっているという前提が必要です。

Posted by コーシカ at 2013年12月06日 21:38
コメントしてください