2013年11月29日
●続和文解釈入門第290回
出題者が怠惰なせいで出題が短文になっているが、投稿者は自分で前後の文脈を組み立て、作り出し、解釈して、その場合はこの体を、そうでない場合にはこの体をという体の使い分けができていなければならない。与えられる設問に受け身で答えるのではなく、主体的に考えて対応しないと、いつまでたっても実戦で体が使えるようにはならない。
出題)「みなさん準備オーケーですか?みなさんチーズしてますか?(それでは)撮ってよろしいですか?」をロシア語にせよ。
Вы все готовы к съемке ?
Все улыбаются ?
Тогда можно ли вас
сфотографировать ?
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сфотографироватьと完了体不定形だと新規の動作として許可を求めているわけですが、すでに写真撮影ということは話し手に分かっているわけですから、これではおかしいことになります。私の答えは、Все подготовились? Все улыбаются? Можно снимать?
最後の文が切迫感(もうそろそろ)や促し(着手)の不完了体不定形である。
(お題)
みなさん準備オーケーですか?みなさんチーズしてますか?(それでは)撮ってよろしいですか?
(コーシカ訳)
Дорогие друзья!
Будете ли вы все готовы? Улыбаетесь? Тогда можно снять?
будете готовыは状態を尋ねているため不完了体
улыбаетесьも状態ですので不完了体現在
「撮る」は具体的な動作ですので完了体снятьです:
何枚か撮るでしょうが一まとまりの具体的な動作をひとつ、と考えると思われます。
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まだ体の本質が分かっていないようです。はたで見ては準備オーケーだけでは分からないかもしれませんが、チーズで写真撮影だと分かるはずですし、話し手にとってはこの発話の初めから写真撮影と分かっているはずです。となると最後の文で新規の完了体不定形が出てくる道理がありません。それと準備オーケーですかというのは今現在ということで、будетеなどの未来の時制を示すものが出てくる余地がないはずです。будете готовыは未来の時制を含む形容詞であり、体ではありません。
Вы уже готовы? Улыбайтесь, пожалуйста. Можно сейчас сфотографировать?
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улыбайтесьだと命令形ですから、出題とは違います。お答えでは不完了体不定形の促し(着手)の用法が理解できていないということになります。『三訂和文露訳入門』の5-1-1項参照ください。