2013年11月16日
●続和文解釈入門第277回
電話をして自分の名を名乗る時に、Говорит Сато. やВас беспокоит Сато.と不完了体の現在形が来る。Сато = яだから三人称の一人称への人称転用である。名乗るという動作は発話の終了と共に終わり、相手に伝わる、だから遂行動詞なのだが、その他にも、「もしもし」と電話をした後の、あるいはそれを想定したり、省略したりしての発話なので、代動詞ということで不完了体が来ているとも言える。
出題)「トラックが道をふさいで交通の邪魔をしていた」をロシア語にせよ。
Грузовик преграждал
дорогу и препятствовал
движению транспорта.
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これだとトラックがわざと道をふさいだという感じがします。一般的には事故か故障で、やむを得なくといったところでしょう。そういう場合は動作動詞よりも状態の動詞を使ったほうがよいと思います。私の答えは、Грузовик стоял поперёк дороги и тормозил движение.
(お題)
トラックが道をふさいで交通の邪魔をしていた
(コーシカ訳)
Грузовик закрыл путь и помешал движение.
繰り返しを示す要素も特にないため、完了体過去によるアオリストです。
トラックが道を塞ぐとしたら荷役や事業所への出入りなどでしょうから1台と考えます。
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お答えもわざと道をふさいだとも取れます。このように主語が人間か、明らかに人が操縦しているものの場合、文脈によりけりでしょうが、動作動詞にはそのようなニュアンスが出てしますような気がします。
Грузовик закрывал дорогу и мешал транспортное движение.
через…何故思いつかなかった…。
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動作動詞についてはブーチャンさんやコーシカさんに書きましたから、それを参照ください。不完了体過去形を、しかも動作が続いて起きているのに使えるとは思いません。動作動詞なら、順次的用法で完了体過去形が続くはずです。ただなぜ不完了体過去形を使ったかを推理すると、道をふさいでから、交通の邪魔をするまではある程度時間がかかるはずだと考えたのかもしれませんが、道をふさぐという行為は動作で見るなら、過程ではあり得ず(徐々に道をふさぐというスローモーションを表現するのなら別でしょうが)、完遂という動作のはずです。それ以降の道をふさぐには時間がかかる場合もあり得るでしょう。体の使い分けをする際に、話し手の動作をイメージし、それ基づき、体を選択すべきです。