2013年11月07日
●続和文解釈入門第269回
完了体は時間軸における不動の一点のみをイメージするため、経過を示すことができない。そのため不完了体がその役割を担わざるを得なくなったと考えられる。つまり反復も継続も不完了体が本質的に持っている用法ではなく、文脈によるのだということが言える。
出題)「うちの課ではいつもだれかが長電話をしていた」をロシア語にせよ。
У нас в отделе кто-то
всегда долго
разговаривал
по телефону.
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-тоと-нибудьの本質的な違いが理解できていないようです。私の答えは、У нас в отделе всегда кто-нибудь висел на телефоне.
висеть на телефоне = подолгу говорить по телефону
кто-нибудьは出題のように、異なる人々、異なる状況(反復という文脈で)においても任意の(不定の)「だれか」という意味で使われる。ところがкто-тоであれば名前を知っているかどうかは別にして特定の人ということになる。
(お題)
うちの課ではいつもだれかが長電話をしていた
(コーシカ訳)
У нас в отделе обычно кто-нибудь долго говорил по телефону.
・過去の習慣
・現在との関連を意識しない
などから不完了体過去が適すると考えます。
「いつも」はちょっと柔らかそうなобычноを使ってみます。
всегдаでは意味がどぎついような(非難めいてもいる?)気がします。
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正解にしてもいいのですが、обычно = чаще всего, как правилоということで、いつもとはちがい、大概の場合はという意味です。всегдаに特に非難めいたニュアンスはありません。文脈やイントネーションでそういうニュアンスが出ることはあります。
В нашем отделении всё время кто-то говорил долго по телефону.
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-тоと-нибудьの違いがよく分かっていないようです。『和文露訳入門』10-13項をご一読ください。それとотделениеは会社の課や部という意味では使いません。ロシア語科の科という意味(前置詞はна)とか、病院の外科などの診療科、支部(前置詞はв)で、会社関係では大工場заводの中にあるцех(小工場)、例えば大手鉄鋼工場заводのパイプ工場цехの中の一部門をотделениеとすることがあるくらいです。
В нашем отделе обычно кто-то долго разговаривал по телефону.
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ブーチャンさんやゴさんと同じですね。