2013年10月23日

●続和文解釈入門第253回

犬への命令で気になることがある。Лежать!(伏せ)、Сидеть!(お座り)は状態の動詞であるのに、動作の指示に使われている。トロエポーリスキーТроепольскийの『片耳の黒い白犬ビームБелый Бим Чёрное ухо』には、Лежать!と言われて、Бим лёг.(ビームは伏せた)とあり、Сидеть, - попросил Толик. (Бим сел)〔「お座り」とトーリクが頼んだ。(ビームはお座りした)〕とあるので、動作の意味の命令法として使われているのは間違いない。これは動作だけではなく、その動作をした後、その状態を維持せよという意味で状態の動詞が使われているのかもしれない。人間対して伏せろはЛожись.と言うが、強調すればЛежать!である。同様に、(止れ〔動くな〕)Стоять!<= прекратить движение>ということであり、警察官が犯人に対してなどのように、話し手がその場で当然取るべき動作と考えている場合には、このように不完了体が使われ、促し、または切迫感を示す。このように状態の動詞が使われると、現時点の前からこの動作が行われることが当然という意識が出て、強調の意味合いを持つ。

出題)「彼はたくさん働いた(準備に頑張った)。なぜなら日曜に大観衆の前で演説することになっていたからだ」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2013年10月23日 06:43
コメント

Он много поработал.
(постарался
приготовиться)

Потому что, ему
придется выступать
с речью перед многими слушателями
в воскресенье.
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поработать = работать некоторое времяであり、これがたくさんと結び付くとはあまり考えられません。それとпридётсяは叙想語ですから、反復や期間を示すのでなければ完了体不定形がつくのが自然です。またпридётсяは予定の意味はありません。私の答えは、Он много работал, потому что в воскресенье выступал перед большой аудиторией.
過去の時制における予定の用法。『新訂和文露訳入門』2-1-10項参照。

Posted by ブーチャン at 2013年10月23日 08:48

(お題)
彼はたくさん働いた(準備に頑張った)。
なぜなら日曜に大観衆の前で演説することになっていたからだ
(コーシカ訳)
Он много работал над подготовкой.
Потому что он должен было выступить с докладом
в воскресенье перед огромной толпой.

準備には時間がかかるのと「たくさん働いた」と長時間を示す語句もあるため
работалと不完了体過去にしております。
「準備に」の「に」はнадにしております(на 対格でもいけそうですけども):
辞書を見ると熟考、思案の意味合いが強そうでしたので。
「演説することになっていた」は未来なら予定の用法を使ってみたい雰囲気ですが
発話時点で演説は終わっていそうですのでдолжен бытьとしております。
演説そのものは1回限りの具体的な動作ですのでвыступитьと完了体不定形です。
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惜しい。работать над + 造格で取り組む(結果を出すために)という意味で、この場合на + 対格は「~のために働く」となり、違うでしょう。過去の時制の予定の用法が分からないので、「はずである」という可能性の用法を援用されたようですが、былоではなく、былでしょう。「はずである」はご回答の通り、должен + 完了体不定形であり、これも過去の予定の用法に使えます。

Posted by コーシカ at 2013年10月23日 23:14

Он много работал, потому что в воскресенье он будет выступать перед многими зрителями.
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発想は正しいのですが、従属節の時制が主節を中心となるのは、間接話法や主節の述語が感覚動詞のときだけです。お答えは、「(次の)日曜に演説する」ので、たくさん働いたが、今は働いていない(働いているかもしれない)というのは、例えば今日は土曜で、その前の月曜から水曜までたくさん働いたというような微妙な解釈をせざるを得ません。

Posted by 角丸 at 2013年10月24日 03:16

Он много подготовился. Поскольку в воскресенье ему надо будет выступать перед публикой.
すみません。答え見てません。よろしくお願い致します。будетだからнесовにしました。又はнадо выступить?
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過去の予定の用法が分かっていないようです。「なっている」というなら日曜は未来ですが、「なっていた」というのですから、日曜は過去のはずです。お答えだと、今が土曜でいままで頑張ったのは、次の日曜に演説があるからということになってしまいます。
будетだから不完了体というのは間違いです。надо, долженの後につくбудетは未来の時制ですという印であって、不完了体未来形をつくるものではありません。ですから完了体不定形でも、不完了体不定形でも体の用法によっては来ます。『新訂和文露訳入門』には載せていないので、三訂版には6-2-1-1долженの用法として載せたいと思います。
(彼らにどう対処すべきか明日お決めにならなければなりません)Завтра вы должны будете решить, как следует с ними поступить.
(国防費はGDPの3.5%でなければならなかった)Расходы на национальную оборону должны были составить 3,5 процента ВВД.

надо, должен + бытьの未来形は未来の時制で使われるのですが、口語ではбытьの未来形はよく省略されます。

Posted by ゴ at 2013年10月24日 23:24
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