2013年09月25日
●続和文解釈入門第225回
前に紹介したA comprehensive Russian grammer, Terence Wade, Wiley-Blackwell, 2011, 3rd editionの中に、「彼は手紙を書いたОн написал письмо.」の英訳は二つあるとして次のような例が挙げられている。なぜそうなるのかの説明がないので、私なりに解釈すると下記のようになる。
He has written a letter. <英語の現在完了であり、結果の存続の用法>
He had written a letter. <英語の過去完了であり、アオリスト的用法>
この例文については英語では訳し分けられるのでうらやましい限りだが、冠詞や時制の一致などは日本語にはないから、その点日本語もロシア語に似ているところがある。
Он писал письмо.と不完了体過去形にすると、「彼は手紙を書いていた」<過程>、「(しばしば)彼は手紙を書いた」<反復>か、あまり用例は多くないが、文脈によっては動作の有無の確認という理解が可能である。
出題)「彼女は料理の支度をし、夕食の後片付けをする」をロシア語にせよ。
Она готовит кухню и
убирает со стола
после ужина.
------------------------------------
кухняはフランス料理や日本料理など、全体的な料理や料理法を指し、個別の料理という意味はありません。блюдоは朝食、昼食、夕食を構成する個々の料理(皿)や、野菜料理、魚料理、肉料理などの個別の料理を指し、個別の料理はкушаньеとも言います。私の答えは、Она готовит еду и убирает после ужина.
Она готовит обед и
убирает это после
обеда
日常の彼女の行動を説明している、と受け取って
動詞を不完了体にしました。
-----------------------------
その通りですが、夕食はужинで、обедは昼食や正餐です。это = обедのようですが、こういう場合はегоを使うのが自然です。
Она готовит обед и убирает со стола.
-----------------------------------
обедは昼食や正餐です。
(お題)
彼女は料理の支度をし、夕食の後片付けをする
(コーシカ訳)
Она готовит блюда и убирает со стола ужины.
習慣、繰り返しを指す不完了体現在を使っております。
さて、正解は
ありゃ、едаでよかったんですか。
--------------------------------
正解です。