2013年09月21日
●続和文解釈入門第221回
不完了体命令家の促しや着手の用法である「もうそろそろ」は切迫感に通じ、「すぐに~せよ」というニュアンスをもつことになる。
(奴をつかまえろ!)Держи его! <カッパライやスリに対して>
(おい、クソ野郎、だれに雇われたのかしゃべるんだ!)Говори, гадина, кто тебя завербовал? <文の尋問などで不完了体命令形が来るのも、相手が自白するのは当然という意識が話し手にあるからである。そこから促しや着手の用法となり、すぐに話せという切迫感が出てくる>
(かかれ)Действуй! <〔(すぐに)行動せよ〕とか〔(すぐに)やれ〕ということだが、警察や軍隊などの作戦行動の際、任務〔すべき内容〕が伝達されていれば、後は号令だけとなり、そういう意味で不完了体命令形が来る。8-13項にあるДавай(те)!、Валяй(те)!〔俗語〕としても同義>
切迫感が強まれば焦燥感となり、苛立ちを示すということにもなる。
(失せろ)Убирайся вон. = Убирайся к чёрту. = Ступай ко всм чертям. = Проваливай.
(有害な音楽を止めろ。我が国のをかけろ!「ナナカマド」を!)Кончай тлетворную музыку. Гони нашу! «Рябинушку»! <「いい加減にしろ」という焦燥感も出ている>
出題)「母は息子が病気になりはしないかと心配した」
Мать боялась, что
свой сын заболеет.
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お答えだと、「自分の息子が発病する、それを母が心配した(それが不安だ)」とはなり、発病するという動作は未来で完遂することになります。ところが出題は発病するかどうか分からないわけで巣から違います。詳しくは次回の本文で説明します。私の答えは、Мать боялась, как бы её сын не заболел.
Мать беспокоилась,
что сын заболеет.
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ブーチャンさんと同じですね。
Мать боялась, что сын будет болен.
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ブーチャンさんと同じ発想ですね。
(お題)
母は息子が病気になりはしないかと心配した
(コーシカ訳)
Мать обеспокоилась, что сын заболеет.
обеспокоитьсяは完了体過去によるアオリストです:
発話時点より過去にあったことを淡々と述べていると捉えました。
заболеть と完了体なのは
・文中における未来の事柄であること
・母の主観に基いていること
・起こるかどうか分からない
などの要素が関係していると思われます。
辞書の例文を流用しました:
Он беспокоится, что они не придут.
彼は彼らが来ないのではないかと心配している
(研究社、89頁、беспокоиться)
さて、正解は
えっ、これだと完遂してしまうのですか。
そう言われてみれば流用元も完遂されないことを心配している、という意味ですね、確かに。
次回本文を見てみます。