2013年09月03日

●続和文解釈入門第203回

完了体と不完了体については、ヤコプソーンЯкобсон先生の完了体有標性説(体の用法では完了体が明示的な機能をもっており、不完了体は従であるという考え方)から出発して、完了体の機能として、フォーサイス先生も変化、新規の出来事、完遂(動作の達成)、順次的用法を挙げておられる。体の用法は多面的な面もあり、個別の動詞毎とは言わないまでも、動詞群によって時制や法(命令法や不定法)により、その機能が整理できることも事実である。
 しかしオッカムのカミソリの意味する「必要がないなら多くのものを定立してはならない」とか、「少数の論理でよい場合には、多数の論理を定立してはならない」、つまり、「必要以上に多面化するな。事実に則した最も単純な説こそ最善の説である」という事を踏まえると、体の本質というのはもっと単純化できるのではないかと考えたわけである。それが「完了体は時間軸の特定かつ不動の一点での動作をイメージする」ということであり、ここから完了体には主観的(叙想的、意識的)ニュアンスが出て来るわけで、これが懸念、期待、動作の完了、新しい情報や事態の出現、新規の動作の可能性とか、否定文では不可能、否定の強調などという話し手の考える主観的なものを指し、具体的な1回の行為なども含まれるわけである。

出題)「摺動面の注油は部品の寿命を延ばす」をロシア語にせよ。摺動(しゅうどう)sliding, rubbingというのは物が滑って動くことで技術用語。

Posted by SATOH at 2013年09月03日 06:28
コメント

Смазка скользящей
стороны приносит
продление срока
службы деталей.
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お答えは、滑る面が単数ですね。摺動面というのは部品同士がすれあう面のことですが、смазка скользящей повержности лыж(スキーのソール面のワックスがけ)<反対側はトップシート>では、滑る面は片方で、もう片面(地面、スロープ)は固定されていて動きませんし、だいたい動いたらスキーが先に進めないでしょう。私の答えは、Смазка трущихся поверхностей увеличивает срок службы деталей.

Posted by ブーチャン at 2013年09月03日 07:05

Если смазывают маслом лицо скольжения, то детали выдерживают дольше.
時間軸の一点で動作をイメージしてない、一般的に、繰り返せば、ということでнесов。(たまに正解すると嬉しい♪)
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体の理解は正確です。このように理詰めに考える癖をつければ、実際に通訳するときにも、自然と正しい体の選択ができるようになります。лицоには、建物の外面、前面、衣服の表(裏に対して)といい、詩語でлицо земли(地面)と言いますが、技術用語では、поверхность(表面)、плоскость(平面)などを使います。それと摺動をネットで調べれば分かりますが、片面ではなく、向かい合う二つの面がすれあうので、その摩擦を少なくするために潤滑油を差すという意味です。摺動という言葉は、技術用語でもそれほど使うわけではないのですが、現在はネットがありますから、わりに簡単にある程度の(通訳に使う程度の)内容は調べられるので、その練習にちょうどいいなと思った次第です。

Posted by ゴ at 2013年09月03日 22:38

(お題)
摺動面への注油は部品の寿命を延ばす
(コーシカ訳)
Смазка салазок повышает срок службы деталей.

技術関連辞典も含めて総動員の巻。
設問にわざわざslide, scrubと書き添えて下さった意味が分かりました。
一般的な事実を述べる不完了体現在です。
部品は数が不明ですので複数を使っています。
寿命はресурс やдолговечность に換えても同義と思われます。
動詞はвозрастать、увеличивать も使えるようです。
さて、正解は
ん、трущихся?
不定形はтереться でしょうか。
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その通りтеретьсяで、「すり合う」という意味です。повышатьとсрокの語結合は、語結合辞典を見る限りありません。

Posted by コーシカ at 2013年09月09日 18:58
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