2013年08月21日
●続和文解釈入門第190回
原求作先生の『ロシア語動詞の体の用法』(水声社)の29ページにотвечатьは完了体という見出しで、「現代ロシア語では不完了体であるが、少し古い本を読むと、完了体のような使い方も多いという動詞もあります」とあり、отвечатьを取り上げている。
Француз поклонился и отвечал. что он надеется заслужить уважение, даже если откажут ему в благосклонности.(そのフランス人はお辞儀をして、彼に好意を抱くのは無理にしても、敬意を払ってくれればいいのですがと答えた)
поклонилсяは完了体過去形で、二つ動詞が続いているのだから、通常は順次的用法という事で完了体過去形が続けば文法的には一番すっきりするのに、отвечалと不完了体過去形が来ている。そこで原先生は、このотвечалは完了体であり、отвечать – отвечиватьという体のペアがあったのではないかと想定されている。
アカデミー露露の最新版第14巻(2010年)には、отвечатьは不完了体だが、完了体の意味もあるとして、次のような例文を挙げている。例文にあるговоритは歴史的現在であり、このотвечалは完了体ということになり、ответилとしても同義で、その場合もアオリスト的用法である。отвечаетとすれば歴史的現在であり、これもアオリスト的用法となる。残念ながら、アカデミー版にはотвечиватьという単語は載っていない。
- Так значит, Валентин, завтра к девяти на работу, - говорит Виктор.(「じゃ、ワレンチーン、明日9時までに会社に来いよな」とヴィクトルは言った)
- Мы привыкшие к девяти, - отвечал Валька.(「9時には慣れていますから我々は」とワーリカ(ワレンチーン)は答えた)
出題)「血液型はB型だった」をロシア語にせよ。
Группа крови
оказалась как ген В.
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体の用法は正しいと思います。つまりアオリスト的用法か、文脈、によっては結果の存続という意味です。血液型は抗原антигенに関するもので、генをつけているので、お答えは間違いです。私の答えは、Группа крови оказалась третьей.
ロシアでも血液型はABO式だが、日本とは違い番号で表示するのが一般的なので注意が必要である。кровь первой (Ⅰ)группы (O型の血液)、второй (Ⅱ)(A型)、третьей(Ⅲ)(B型)и четвёртой(Ⅳ)(AB型)
У меня оказалась третья группа крови.
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出題は血液型といっているだけで、一人称とは限りません。
(お題)
血液型はB型だった
(コーシカ訳)
Группа крови оказалась третьей.
事件の被害者の血液型などが判明した場面と想定しました。
一度分かったら変わることがありませんので
完了体過去によるアオリストないし結果の現存が相応しいと考えます。
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ご説明もまったくその通りで、完璧な正解です。
「血液型はB型だった」
Группа крови оказалась третьей.
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正解です。
Оказалось, что третья группа крови.
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что以下が文になっていないというか、名詞文なので、чтоを使った節にする意味はないでしょう。оказатьсяの語結合をチェックされるべきだったと思います。