2013年08月20日
●続和文解釈入門第189回
完了体未来形には例示的用法「(~であれば)~する」がつきものだが、完遂的用法「(これから)~する」にもそのニュアンスが出る場合もある。未来というものは未定のものであり、ある意味、条件法と表裏一体であると言える。つまり、不完了体現在形の予定の用法や不完了体未来形には例示的ニュアンスがないことになる。また完了体未来形は未来の時制の反復には使えない。
(警察がいなくなれば、奴らは戻って来る)Они вернутся, когда полиция уедет.
出題)母が離れて暮らす息子に言う「ちゃんとしたものを食べなさいよ」をロシア語にせよ。
(1) Питайся хорошо.
(2) Ешь как следует.
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(1)は量と質(あるいはどちらか)ということで、正解ですが、やや曖昧という気もします。(2)は正解としてもよいのですが、ミルクなどを飲むのはどうなるのかという気がしないでもありません。私の答えは、Питайся рационально.
Хорошо питайся.
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正解ですが、ブーチャンさんと同じコメントです。
(お題)
(母が離れて暮らす息子に言う)ちゃんとしたものを食べなさいよ
(コーシカ訳)
Ешь какие-нибудь надежные.
これも決まり文句がありそうですね。
・食習慣を話題にしていること
・促し
・「ちゃんとしたもの」に力点があること
・そうした食生活を送るのは当然との意識が発話者にあると思われること
などなどから、不完了体の命令が出ると考えます。
「ちゃんとしたもの」に含まれるものはかなりの数に上るでしょうし
おかあさんも特にこれとこれを食べなさい、と言っているわけでもありませんので
不定の複数+какие-нибудьを使っています。
外食で好きなものばかり食べてないで
旬のお野菜を買ってきてサラダにするとか、毎朝果物を食べるとかしなさい
といった具体的なことを挙げるのであればкакие-тоでもいけそうに思います。
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食習慣は反復ですから、これを促しと結び付けるのは問題です。これはいつもということで反復です。他にも問題なのはкакие-нибудьのあとにнадёжныеと形容詞が続いていることです。надёжныйには名詞用法がありません。そうなると、別な名詞をつけるか、что-нибудьと形容詞の組み合わせとなります。
Ешь правильную пищу.
Питайся правильно.
促しでнесов.
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不完了体は不完了体ですが、促し(着手)というのは、目の前に食事があって、食べなさいと合図するわけです。それだと、補語なしか、補語が具体的なものになるはずです。ちゃんとしたものという抽象的なものが、今、目の前にあって、それを食べなさいという想定は考えにくいと思います。故郷のお母さんが言っているのは、いつもちゃんとしたものを食べなさいだと取るのが普通だと思います。これは反復の意味の命令形です。『新訂和文露訳入門』には、こういう反復の用法を、命令法の項に入れ忘れてしまいました。三訂版が出る可能性があれば、その時に追記したいと思います。とりあえずお詫びしておきます。
二つ目の文は正解です。естьだけだと、飲む(ミルクやジュース)はどうするのかという疑問も起きます。