2013年08月16日
●続和文解釈入門第185回
切迫の用法というのはASAP (as soon as possible 出来るだけ早く)ということだが、だからと言って動作が起こるのかどうか、起こるとしたらいつなのかは分からない。促し(着手)の用法も、動作を促してはいるが、同様に、動作が起こるのかどうか、いつ起こるのかは分からない。また勧誘という用法では、動作が起こるのがいつもでいいし、起こらなくてもいいということである。これらの用法は、動作の起こる時間軸の一点が不定(有無さえ未定)であるということと、動作が起こるのが主観的意志ではなく、回りの状況に依存することが明確であり、それゆえ不完了体を使うということが分かる。一方、完了体は時間軸の特定かつ不動の一点での動作をイメージするという用法だからである。
(もう6時だ。そろそろおいとましないと)Уже шесть часов. Я должен уходить. <切迫の用法>
(有害な音楽を止めろ。我が国のをかけろ!「ナナカマド」を!)Кончай тлетворную музыку. Гони нашу! «Рябинушку»! <促し(着手)の用法。「いい加減にしろ」という切迫感も出ている>
(始めてください)Начинайте! <促し(着手)>
(我が家にいらして下さい)Приходите к нам. <不完了体命令形の勧誘の用法で、いつでもということで動作の始まる時間が指定されていない>
(私のところに1時に来て下さい)Придите ко мне в час. <時間指示が明確であるので完了体命令形が来ている>
出題)「私はあの世を信じない」をロシア語にせよ。
Я не верю в тот свет.
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正解です。私の答えは、Я не верю в загробный мир.
「あの世」は他にもзагробная жизнь, тот мир, тот свет, мир иной, лучшие миры, потусторонний мир, жизнь после смерти, лучшиф мир, мир мёртвыхなどを使う。
Я не верю в жизнь после смерти.
Я не верю в загробный мир.
Я не верю в потусторонний мир.
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正解です。
(お題)
私はあの世を信じない
(コーシカ訳)
Я не верю в тот свет.
信じていないということですから
現在進行形の意味を出せる不完了体現在です。
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お答えは正解ですが、веритьは「信じている」という状態を示す動詞です。進行形というのは動作の過程を示し、状態はすでにそうのような状態になってしまっていて、それが継続しているわけです。つまり、過程であれば、信じつつあるということで、まだ信じていないことになります。この場合は動作がないことを示しているので、不完了体が来ています。
Я не верю в посмертный мир.
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посмертный = осуществленный, возникший и т.п. после смерти кого-либо (о чём обычно связанном с деятельностью умершего) ということで、特定の故人の死後の活動について言うのが普通です。
посмертная выставка 回顧展
постертная награда 死後受勲
そのため間違いとは言いませんが、посмертный мирという語結合は少ないと言えます。