2013年08月14日
●続和文解釈入門第183回
疑問詞 + 不定形の体の用法については、『新訂和文露訳入門』6-2-8項(この他に2-2-6項や4-2-1-2項参照)に書いたが、что делатьにおいてделать(~する)という不完了体不定形をなぜ取るのчто(何)の具体的な意味は空白であるが、чтоとделатьでは文の成分としての重要性や強弱が違う。Что?はこれだけでも立派に文として通用するが、делатьだけでは一般的に文として成立しない。делатьだけで文として成り立つためには、すでに何をするのかが分かっているというのが前提としてなければならない。そうであって初めて動作の有無の確認の用法となる。そういう意味でделатьの方が文の成分として弱いために、文の焦点とはなりにくいと言える。
(何?)Что?
(すべきだ)Делать.
(すべきか?〔すべきかすべきでないか?〕)Делать? (= Делать или не делать?)
かについて補足説明する。この場合делать自体は「動作をする」という機能面のみを担当し、具体的な動作の内容は空白である。内容が空白である以上文の焦点になれないために、чтоに文の焦点が来ることになり、不完了体が出てくるのである。これは『新訂和文露訳入門』8-3項の複合動詞にも言えることであり、複合動詞が不完了体未来形でよく使われるのもこの理由からだと思われる。
出題)「彼は行列の先頭にいた」をロシア語にせよ。
Он стоял на первом
месте очереди.
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стоять на каком-либо месте (плане) = занимает что-либо в жизни, в деятельности кого-чего-либоということで、このような具体的な例に使う例は知りません。例えば、На первом плане у него всегда стоит работа.(彼は仕事第一だ)
私の答えは、Он первым в очереди стоял.
Он находился впереди всех в очереди.
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всехに彼は入っていないということでしょうか?取った方がよいと思います。впереди очередиというのも可能です。
Он был первым в очереди.
Он находился в самом начале очереди.
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最初の文は正解ですが、二つ目の文は行列の始まりが最後尾かもしれず、そういう意味で曖昧ということになります。
この他にв голове(先頭にいる)、
в хвосте(最後尾にいる)という表現も可能です。
(お題)
彼は行列の先頭にいた
(コーシカ訳)
1) Он оказался первым в очереди.
2) Он стал в голове очереди.
いづれも完了体過去によるアオリストです。
文の焦点は「先頭」にありそうですが、
かといって不完了体を使うと繰り返しなど他の意味に誤解されたりしそうです。
1)は下記の研究社の例文を書き換えました:
Она оказалась шестой в очереди.
彼女は行列の6番目だった
(研究社、1394頁、очередь)
2)はголоваを使ってみたかったので投稿します。
動詞をстатьにすることでстоять первым местом
という意味合いを持たせることも狙っております(別に競ってはおらんでしょうけど)。
さて、正解は
なんと、不完了体?!
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「いた」というのは、「いる」という状態を示す動詞の過去です。これはロシア語にすればбыть, находитьсяと考えるのが普通です。
статьは動作を示しているわけで、列の先頭に立ったということですし、оказаться(~であることが分かる)という意味で動作を示しています。