2013年07月30日
●続和文解釈入門第168回
- Ты собираешься на рыбалку именно сегодня, в понедельник, тринадцатого числа?
- Конечно! Может быть сегодня рыбам не повезёт.
「よりにもよって、今日釣りに出かけるのかい?13日の月曜だぜ」
「もちろんだよ。ひょっとして、魚の方が今日は絶不調かもしれないしな」
この小話(ロシア語ではアネクドート)は13日はともかく、別に月曜が休みの後だから、仕事を始めるのが憂鬱というわけではない。ロシアでは月曜は週の第1日目で、週末に飲んだ酒の二日酔いからまだ完全に回復していないため、月曜は何もしない方がよいとされ、これは魚をロシア人に見立てた小話なのである。ソ連時代月曜に作った製品は買ってはいけないというのをロシア人からよく聞かされた。月曜悪者説はソ連時代から始まったというわけではなく、革命前の時代からである。19世紀中ごろ編纂のダーリの辞典(日本で言えば大槻文彦が編纂した言海のようなもの)を見ても月曜の項に15ぐらい諺が載っているが、月曜は二日酔いの日、日曜の追悼の日とか、月曜は何もしない日(二日酔いで)とある。
2013年7月21日付読売新聞朝刊のコラム「編集手帳」に、デトロイト市の財政破綻に関連して、アーサー・ヘイリーの小説『自動車』(新潮社)に、「会社の重役は、月曜と金曜に製造した車を決して買わなかった。日曜と給料のもらえる木曜は、工場の労働者たちが深酒をする。二日酔いで作った車は不良品が多く、とても乗れたものではない」とあり、米露が共通の問題を抱えていたことが分かって興味深い。
出題)「どうして硫酸なんかに目をつけたのですか?」をロシア語にせよ。
Почему вы обратили
внимание именно на
серную кислоту ?
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正解です。именноの代わりに、особое вниманиеとしてもよいでしょう。「目をつける」はоблюбоватьとか、положить глаз на + 対格とも訳せます。
На его жильё положили глаз бандиты.(彼の住まいに目をつけたのはギャングたちだった)
私の答えは、Почему вы остановились именно на серной кислоте?
Откуда вы догадались, что серная кислота поможет?
будет помогать...ポイントじゃない?!
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お答えは「硫酸が効く(役に立つ)」と考えたわけですが、「硫酸が原因だ」という文脈も考えられます。「目をつける」というのとは違うと思います。ただ『新訂和文露訳入門』8-4項にあるように、откудаとдогадатьсяの結び付きは正解です。
仮に「硫酸が効く」とすると、完了体未来形にすれば、具体的1回の動作を、不完了体未来形にすれば未来の時制での反復ということになります。
(お題)
どうして硫酸なんかに目を付けたのですか
(コーシカ訳)
1) Почему Вы обратили Ваше внимание на серную кислоту?
2) Что привлекло Ваше внимание на серную кислоту?
3) Почему Вы уделили внинание серной кислоте?
硫酸に目を付けたという過去の一点を意識しているため
完了体過去によるアオリストと考えます。
вниманиеと結びつく格につきましては、
1)、2)は注意を''向けた''という動きに注目して対格
3)はуделятьの影響で与格をそれぞれ取るものと思われます。
さて、正解は
「…なんかに」はименноを使えるのですね。