2013年07月23日
●続和文解釈入門第161回
покушениеというのは、попытка убитьということで、殺害の企てということであり、失敗に終われば未遂だし、成功すれば暗殺・殺害となる。だから、一概に未遂と訳すのは誤りという事になるので注意が必要である。
совершить на него покушение(彼の殺害計画を実行する)
неудачное покушение на генерала(将軍の暗殺未遂)
успех московского покушения(モスクワの暗殺計画の成功)
покушение на Столыпина(ストルィピン暗殺事件)
покушение на жизнь Ленина(レーニン暗殺計画)
На него готовится покушение.(彼に対する殺害計画が準備されている)<暗殺と訳してもよいが、暗殺未遂とは訳せないことはお分かりだろう)
出題)「家までお送りしてから帰ります」をロシア語にせよ。
Я буду сопровождать
вас до вашего дома,
затем я поеду домой.
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最初の動詞に不完了体未来形をお使いですが、これは未来の時制の動作の有無の確認(動作の名指し、ないしはそれから文脈によって発生するかもしれない意志の用法)だと思いますが、これだと動作が未来において起こるが、完遂するかどうかは分からないということになります。ところが、出題は送るという動作の後、帰るわけですから、送るという動作が終了(完遂)しているというのが明らかです。このように動作が続けて起こる場合には、使われる体の用法は明らかなはずです。私の答えは、Я вас довезу до дома и уеду.
順次的用法。『新訂和文露訳入門』4-2-2項参照。
Я отвезу вас домой и возвращусь.
(сопровожу вас домой)
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正解です。сопровождать/сопроводитьについては、語義の随行するидти (ехать) вместеから、一定に期間を示すと考えられるので、不完了体としての使用が圧倒的に多いのです。順次的用法のためには、完了体を使わなければならないので、сопроводитьを使わざるを得ないのは分かりますが、この動詞を完了体で使うのはあまり勧められません。他の動詞を使うべきです。
(お題)
家までお送りしてから帰ります
(コーシカ訳)
Я Вас провожу домой, а потом вернусь.
完了体未来形による順次的用法が使えると思います。
さて、正解は
体は○
довезти до какого-н. местаとуехатьですか~
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お答えも正解ですので気にすることはありません。私の答えがベストとは限りません。このコーナーの出題の狙いは、体、単数複数、その他の文法事項の使い分けが主であり、語彙であることは稀です。すべての語彙を網羅することはできませんし、各人によってベースとして必要な語彙というものはありますが、技術(鉄鋼、機械、漁業、林業、コンピューターなど)、医療(これもいろいろな分野があります)、観光(都内、京都・奈良、大阪)、政治経済のロシア語があり、通訳はいずれかに特化していくものですから、そのような特殊な語彙を覚えても、他の分野では役に立ちません。それより体の用法など文法事項の使い分けを覚えたほうが汎用的です。