2013年07月09日
●続和文解釈入門第147回
「そのときは」は第140回の出題では、現在との対比ということから過去の時間軸の一点であることは間違いないが、「そのとき」だけなら、当時という意味で一定の期間を示す事ができる。そうであれば不完了体過去形が来ても問題ないわけで、(当時はその紛争が拡大しないと期待していた)Мы надеялись тогда, что конфликт не будет расширяться.となり、現在もそのように期待しているかどうかは分からない、つまり現在とは何のつながりもない文になってしまう。現在、そのような期待がないということを言うためには、この文だけでは不十分と言う事になる。
出題)「昼間電話したわ。いえ、嘘、昼間私に電話したのは彼女の方よ」をロシア語にせよ。
Днем я тебе звонила.
Нет, это не правда.
Днем мне звонила
именно она.
-------------------------------
正解は正解なのですが、お答えの「これは真実ではない」の部分が問題です。出題は、それほど深刻に言っているわけではなく、単なる言い間違いを正しているだけ(あるいは、わざと間違えて、そのようなふりをしている)だけです。私の答えは、Днём звонила...Нет, вру, это она мне звонила днём.
вратьは上記の文では結果存続兼評価型動詞である。
Днём звонила я. Нет, это не правда. Позвонила мне днём она.
つながったかどうかは別として行為なのでнесов、彼女からの電話はつながったので сов。
----------------------------------
そのように分析的であるというのは結構なことだと思います。звонитьに関しては、この動詞が不完了体をよく使うということ、二つ目の文では文の焦点が明らかに「彼女が私に」であって、「電話をする」という動作ではないことから、不完了体でなければならないはずです。звонить/позвонитьのグループでは、『新訂和文露訳入門』7-2項にもあるようにпозвонитьは動作の完遂のみを示します。そういういくつかの理由により、最初の文も不完了体が来ると考える方が自然です。
「ほんと」というような口語的表現では、правдаが使われますが、「うっそー」というような口語表現ではЛжёшь!がよく使われます。
(お題)
昼間電話したわ。いえ、嘘、昼間私に電話したのは彼女の方よ。
(コーシカ訳)
Я позвонила днем. Нет, это неправда. Она же звонила мне днем.
最初のпозвонилаは新規の情報であり
昼間という過去の一点で行われた動作ですので完了体過去です。
続くзвонилаは電話したのは既知の事柄で、動作主に力点があるため
不完了体です。
さて、正解は
うぉ
позвонитьは完遂だけで始発の意味はありませんでしたか。
неправдаでは重た過ぎますか…
вратьを使うのですね。
--------------------------------------
なぜ最初の完了体過去形позвонилаがまずいかというと、動作の結果が残っていないのが明らかだからです。「電話した」という動作を独立して考えるのではなく、「私が電話した」ということは動作はなく、「彼女が私に電話した」という動作があったことが分かるからです。つまり最初の私が電話するという動作はなかったということから、完了体過去形は使えないと思うのです。
アオリスト的用法は動作があったわけで、その結果が現在まで残っているかどうかは関係ないということですから、動作がない以上つかえないということになります。