2013年05月13日

●続和文解釈入門 第92回

英語のタイプライターのキー配列は、初期のタイプライターが壊れやすかったので、わざと打ちにくい配列にしたのだと読んだことがある。ロシア語の場合は、そうではなくて、п, р, к, еなどよく使う文字は中央寄りであり、э, ы, фなどの 使わない文字は端の方になっていると、ウスペンスキーがСлово о словах(言葉について一言)で書いている。

出題)「油圧システムに空気が入らないように気をつけて下さい」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2013年05月13日 06:21
コメント

Обратите внимание
на то, чтобы воздух
не попал в гидравлическую
систему.
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完全に間違いだとは言い切れませんが、二つほどコメントします。Обратите внимание (на то), чтобыにすると、具体的な1回の動作ということになり、操作パネルの表示やモニターを見るだけということになりかねない。求められているのは監視であり、そうなると、不完了体命令形の着手の用法がより適切ということになる。чтобы以下の否定における体の用法については次回の本文で述べるが、今回の出題の、油圧システムに空気が入るのは、事故か故意かであり、うっかり空気が混入するというのは考えにくいので、禁止と考えて不完了体を用いるべきだと思う。私の答えは、Следите, чтобы в гидросистему не попадал воздух.

Posted by ブーチャン at 2013年05月13日 06:45

おっ、技術系

(お題)
油圧システムに空気が入らないように気を付けてください
(コーシカ訳)
1) Остерегайтесь, чтобы воздух не влился в гидравлическую систему.
2) Будьте осторожны, чтобы воздух не вступил в гидравлическую систему.
3) Будьте внимательны на то, чтобы воздух не находился в гидравлической системе.

「入る」が分からないので調べてみました。まぁ出るわ出るわ…
вливатьсяが流体が入るの意味で使えそうなので1)で使ってみました。
остерегатьсяは警告の不完了体命令、чтобы以下の動詞は完了体で
この場合は「空気が入る」と具体的な条件指すと考えます。
2)はосторожныйとчтобыの組み合わせ
(辞書の例文からはこの組み合わせを確認できませんでした)と
вступитьが空気の混入の意でも使えそうなので書いてみました。
研究社でвоздухを引くと
выступить воздух из шара気球から空気を抜く、という例文があり
выступатьで「抜く」やったら「入れる」はвступатьやろ、と踏みました。
3)もвнимательныйとчтобыの組み合わせでの試みです。
とっても分かりやすいけどこうは言わんやろ、と思われる回答です。
油圧システム内には空気がないように気を付けて、と意味も変わってしまう気がします。
находитьсяは状態を表す不完了体です。

折角ですから英訳も
Be careful so that air may not enter into the hydrauric system.
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(3)のна тоを取れば正解です。そのような語結合はないと思います。(1)のвливатьは流体というよりは液体で、滴下して入れるとか、考えを吹き込むという意味で、違います。(2)のвступатьは基本的には、部屋に入る、会員になる、動作を始める、痛みが始まるという意味で、物質が中に入るという意味はありません。

Posted by コーシカ at 2013年05月13日 20:15

こちらでは関連しそうな質問を
「(空気など好ましくないものが)入る」を調べていると
поступатьが見つかり、次のような例文がありました(研究社1667頁):
Пар поступил в цилиндр паровой машины.蒸気が蒸気機関のシリンダに通じた
Ток поступил в провода.電線に電流が通じた

配管に(空気・ガス・油などが通って)圧力がかかっていることを「圧(力)が来ている」
という言い方をしますが、その意味でпоступатьを使えますでしょうか。
例文を考えてみました:
- Давление уже поступает?
- Да.
- Хорошо. Тогда я включаю. / отвёртываю кран.
-もう圧(が)来とる?
-うん
-よっしゃ、ほな(スイッチ)入れるで / コック開けるで
1行目は動作の有無の不完了体(あっ、結果の現存でпоступилоの方がええかも…)、
3行目は着手の不完了体と考えます。
поступатьは補語が必要な気もします。-сяがあった方が良いでしょうか。
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поступатьはある種の動名詞とともに、動作の開始、動作への移行を示すだけで、悪い意味は特にありません。Сырьё поступило в обработку.(原料が加工に回った)というのが典型的な使い方です。「圧力が来ている」はпод давлениемが普通です。「圧力をかける(比ゆ的ではなく)」はподать (оказать) давление на что-либоで、比喩的なら、давить (надавить) на кого-либоとなります。動作の有無で現在の時制が使われることはありません。それは用語の論理的矛盾となります。動作の有無は過去か未来かであって現在ではありえません。多分поступатьが遂行動詞ではないかということだと思いますが、この動詞は単なる動作動詞で、遂行動詞の意味の定義には当てはまらないと思います。

Posted by コーシカ at 2013年05月13日 20:23

Следите, пожалуйста, за тем, чтобы не было воздуха в системе масленого давления.
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発想と構文はよいのですが、система масленого давленияという言い方はしません。敢えて訳せば、潤滑油の圧力システムということでこの場合は意味をなしません。語彙の問題は、いつも言いますが、大したことではありません。油圧という単語も1分もあれば覚えるでしょう。技術関係はドイツ語や英語由来のものが多いので、英語が分かればなんとなく、正解にたどりつくことが多いものです。

Posted by ゴ at 2013年05月13日 22:36

поступатьに関する質問へのお答え、ありがとうございました。

Posted by コーシカ at 2013年05月15日 21:16
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