2013年05月07日
●続和文解釈入門 第86回
「彼はここにきている」も同様、いくつかの露訳が可能である。文の形式ではなく、実際に動作が行われている時制をイメージしないと正しい訳が出て来ないという例である。
Он приехал(пришёл) сюда.<今彼はここにいる>
Он приехал сюда (год назад).<(1年前)いつかは知らないが1度来たと確信がある場合のアオリスト的用法>
Он приезжал сюда.<いつ、ないしは何回来たのかは知らないが、来たことがある、今はいない>
出題)「表面の汚れを取ってください」をロシア語にせよ。
Смывайте пятно на поверхности.
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惜しいと言えば、惜しいのですが、お答えは、「表面のしみを洗い流しなさい」という意味で、かなり狭い意味です。又語結合的には смывать пятно с поверхностиとなります。この出題では完了体命令形でも不完了体命令形でもよいのですが、用法を正しく理解しているかが問題です。完了体なら、新規の動作ですし、不完了体なら周りの雰囲気に合わせての着手ということになります。私の答えは、Очистите поверхность от грязи.
Удаляйте пятна на
поверхности.
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これも惜しいといえば、惜しいですが、「表面のシミを取りなさい」ということで、技術関係では、かなり狭い意味でしか使えないと思います。語結合はудалять пятно с поверхностиとなります。пятнаと複数もいくつかのしみということで使えると思います。
(お題)
表面の汚れを取ってください
(コーシカ訳)
Очистите поверхность от загрязнений.
具体的な動作であり繰り返しを示す要素も見当たりませんから完了体の命令です。
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惜しい。загрязнениеはお答えのように複数形で用いると、загрязнитель(汚染源)という意味ですし、単数だと汚染という意味で、汚れという意味では使いません。問題なのは、体の使い分けを、単純に、具体的な動作(完了体)か、繰り返し(不完了体)とだけ理解しているように思えることです。命令法における周りの雰囲気を読んだ着手の用法が、不完了体命令形でよく使いますし、この出題も文脈によっては、そういう用法も可能です。もっと体の本質的なものに対する理解が必要であり、それをしないと体の奥義にはたどりつけないでしょう。
Очистите грязь с поверхности, пожалуйста.
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選んだ動詞は技術関係でよく使いますが、構文が間違っています。日本語と発想が違いますが、すぐ覚えるでしょう。