2013年05月05日
●続和文解釈入門 第84回
動作の有無の確認が不定法ではあまり使われないと以前書いたが、例外的に使われるのは、「~するべきか、~せざるべきか(~するか~しないか)」という構文である。неの後は動作が起こらないのだから不完了体が来るというのは、『和文露訳入門』3-1-8項で述べたが、「~するべきか」のところに不完了体不定形が来るのは、これこそ動作の有無以外のなにものでもないからである。具体的に何かをという補語が来れば完了体不定形が来るが、すでに何をというところが前に述べてあるか、文脈に含意されるような、動作の有無だけが問題な場合には不完了体不定形が来る。
(キャンセルすべきか、せざるべきか?)Отменять или не отменять?
出題)「まさかこれを説明しろというのかい」をロシア語にせよ。
Неужели ты хочешь, чтобы я об этом объяснила?
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正解です。私の答えは、И неужели это разъяснять надо?
不必要を示しているのだから不完了体を用いる。
хотетьのような叙想語(話し手の主観を表す語)を使うと、主観的ニュアンスのため完了体不定形が結びつく(繰り返しや、ある程度の期間を示す動作を除く)。чтобыも目的を示すので、1回の具体的動作(繰り返しや、ある程度の期間を示す動作を除く)が多いので、平叙文では完了体が来るという事になる。
Вряд ли ты требуешь
меня объяснить об
этом?
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требовать + 対格(具体的な補語)〔抽象的な補語は生格〕 + от (у) + 生格、ないしはтребовать + 不定形であり、これを組み合わせた構文は語結合辞典には見当たりません。この場合はчтобыを使うべきだと思います。
Разве мне это объяснить?
мне тебе это ...? ここはсовと考えました。
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それは間違いです。不必要というのは、最も重要な不完了体の指標です。
(お題)
まさかこれを説明しろというのかい
(コーシカ訳)
Не может быть, чтобы ты требовал(а) у меня объяснить об этом?
講談社和露の「まさか」を参考にしました。
требоватьは現在話し手に求められているため不完了体
объяснитьは発話時よりは未来であり、具体的(恐らくは)1回の動作であるため完了体です。
「会社(の上層部)はこれを説明しろというのかい」など
要求している対象が複数ということを出したい場合は不定人称文が使えそうに思います。
さて、正解は
不必要の不完了体ですか。
説明自体は必要だが、この内容ではとても相手は納得しない(むしろ怒る)
というような状況を想定しておりました。
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требоватьに続く不定形はтребоватьが叙想語(話し手の主観を示す)なので、完了体不定形となるので、そこはいいのですが、ブーチャンさんと同様、требовать у + 生格と、требовать + 不定形をごっちゃにしたような構文はないといっているのです。