2013年05月28日
●続和文解釈入門第105回
言葉は使われなくなるということはあるが、使うなと命令するのは不可能だろうと、誰しも思う。エカチェリーナ2世の息子であるパーヴェル1世は、母親嫌いでも有名であり、гражданин(市民)という言葉を廃し、подданый(臣下)に変えさせたという。またその息子のニコライ1世は、прогресс(進歩)という言葉が嫌いで、何とか絶滅しようと努めたというようなことが、ウスペンスキーの「言葉について一言」に書いてある。
出題)犯人などの「何か特徴は?」をロシア語にせよ。
Вы не заметили
какие-либо
отличительные черты(особенности)?
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出題の狙いは複数ですから、それは正解なのですが、体が違います。このようにあるかどうか分からないものに対しては、虚心坦懐ということで動作の有無の確認の用法を用いるべきで、不完了体過去形にすべきです。какие-либоがなければ、気がついたと思うけどという主観的ニュアンスで理解できないこともありません。私の答えは、Какие-инбудь особые приметы?
複数は不定(あるかどうか分からない)を示すという事の復習。
Признаки каковы?
Скажите, если у него были какие-нибудь особенности.
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複数にしているので、設問の狙いは理解されていると思います。ただ最初のご回答は「特徴はどんなですか?」ですから、違うと思います。
Что-нибудь особенное?
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不定ですから-нибудьを用いるのだという理解は正しいのですが、что-нибудьは「何でもいい何か」ということで、お答えでは、「特別なものなら何でもいいのか?」という風に理解されます。出題は、「何か特徴は(ありますか)?」ですから、何かが形容詞的に用いられている(名詞を修飾している)ので、ロシア語の方もそのようなкакой-нибудьを用いるべきです。
第105回
(お題)
(犯人などの)何か特徴は
(コーシカ訳)
1) Узнаете ли Вы какие-нибудь черты?
2) Какие-нибудь особенности Вы заметили?
特徴があったかどうか、一つとは限らない、という含みで
不定のкакие-нибудьと一緒に複数の名詞を使っています。
1)は遂行動詞の不完了体現在かと考えます。
2)は完了体過去による結果の現存です。しかしこの言い方では
「何も覚えていないЯ ничего не помню.」と返ってくる可能性を想定していない
(何か知っている前提で尋ねている)ようにも感じます。
さて、正解は
複数で不完了体やし1)はクリア、かな。