2013年05月26日

●続和文解釈入門第103回

ガイドをしていてロシア人に日本語でどういうのだと尋ねられて困る表現というものがある。それはЗдравствуйте!である。「こんにちは」と答えてもよいのだが、厳密に言えば、このロシア語は発音は難しいが、万能挨拶語とでも言うべきもので、朝昼晩、真夜中でも使える。日本語では朝昼晩、ましてや真夜中の挨拶はそれぞれ「おはようございます」、「こんにちは」、「こんばんは」、「夜分恐れ入りますが」などと、別々な表現にならざるを得ないし、訪問でなら、普通は「ごめんください」というだろう。俗語なら、「やあ」というのがあるが、これは改まった席で使えるとは思えないので教えるのに躊躇する。「さようなら」だって、日本語では目上の人には使えない、会社なら自分が帰るか、相手が帰るかによって、「お先に失礼します」、「御苦労さまでした」というはずだ。
 「やあ」はロシア語ではПривет!であり、別れの挨拶は「じゃあね」はロシア語では、Пока!である。これは縮めた言い方であり、元はПока желаю тебе всего хорошего.と言ったという。俗語での別れの表現を挙げてみる。Будь. (Будь здоров.が縮まったもの)、Бывай (здоров).とか、電話ではТогда до созвона.という。

出題)「そのおとぎ話が気に入った人は手を上げて下さい」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2013年05月26日 06:31
コメント

Поднимите руку, если кому-нибудь из вас нравится эта сказка.
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рукуとするのは、文法的には可能だと思いますが、気に入った人(すべて)ということなので、個人的にはрукиと複数にした方がよいかなという気はします。それとнравитсяは不完了体体で状態の動詞ですが、この場合は繰り返し読んだり聞いたりしてそのおとぎ話が気に入っているというニュアンスであって(おとぎ話を聞いたり読んだりしている最中に気に入りだしたということもあり得るでしょうが)、一度聞いて、その結果の評価というニュアンスがありませんから、出題とは違うと思います。私の答えは、Поднимите руки, кому понравилась сказка.
рукуと単数にするのも、『和文露訳入門』10-3-4 7)の例から可能だとは思うが、всеが省略されていると考えられるので、個人的には複数の方がよいのではないかと思う。そういう意味で、この構文を検討する上で分かりやすい例を挙げる。Поднимите руки, все, кто носит галстук.(ネクタイをしている人は全員手を上げて下さい)
同じように、次のような表現が可能である。
Кому курицу полить чесночным соусом - поднимите руки. (ニンニクソースを鶏肉にかける人は手を上げて下さい)
Поднимите руки, кому это нужно.(それが必要な人は手を上げて下さい)
Кому налить кофе?(コーヒーの人?)
Поднимите руки, кому плохо.(体の具合の悪い人は手を上げて下さい)
Поднимите руки, кому нравится дизайн классики iPod.(iPodクラシックのデザインが気に入っている人は手を上げて下さい)<нравится不完了体で状態の動詞なので今も気に入っているというニュアンスが出るが、私の回答の例は話し終った結果の評価であるため、完了体過去形が来ているという違いがある。『和文露訳入門』3-1-11参照>

Posted by ブーチャン at 2013年05月26日 07:01

Поднимите руку те, кому понравилась эта сказка, пожалуйста.
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正解です。пожалуйстаを削るか、一番前に持ってくるか、руку を個人的にはрукиにした方がよいと思います。出題のように、手を上げる人もいるかもしれないし、いないかもしれないという不定のものを示すのは、ロシア語では複数の役割だと考えてよいと思います。теも取った方が会話では自然です。

Posted by ゴ at 2013年05月26日 23:47

(お題)
そのおとぎ話が気に入った人は手を挙げて下さい
(コーシカ訳)
1) Поднимайте руку, кому понравилась (эта) сказка.
2) Те, кому понравилась (эта) сказка, поднимите руку.
「気に入った」は話を聞いて好ましく思う状態が現在まで続いており
完了体過去による結果の現存が相応しいと思われます。
1)は着手を促す不完了体命令です。おとぎ話がなされた結果を受けての命令と考えました。
発話者には聞き手の反応を見たいという意識も働いているでしょうから
不完了体の命令が来る可能性はあると思われます。
(それやったらкому以下を頭に持ってきた方がええかも…)
2)は研究社の例文
反対の人は手を挙げてくださいТе, кто против, поднимите руку.
に倣ったものです(研究社、897頁、кто)。
この場合は具体的な新規の動作を求める完了体命令です。
さて、正解は
2)の方が正解に近そうですね。
複数人相手なのでрукаも複数と考えるのですね。
複数を取ると「両手を挙げてください」となっておかしいのではないかと思い、
あえて単数にしておりました。
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これは着手とはとれないでしょう。着手というのは、来客時にソファーなどがあって、動作をおこなうのが、その場で自然と考えられる場合です。この着手は着手というよりは、その場の雰囲気に即しての着手です。おとぎ話を読むという行為、それに伴って手を挙げるという行為が、すでに言及されていれば別ですが、普通は新規の(場独立の)行為と考えるのが普通だと思います。
 確かに研究社の例文にはрукуとありますが、先に説明しましたように、複数が不定のものを示すということからрукиとする方が自然のように思います。

Posted by コーシカ at 2013年05月27日 21:03
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