2013年05月24日
●続和文解釈入門第101回
現代語でそれほど耳にするわけではないが、Нет-с.とか、Тэк-сにある-сをсловоерсыといい、下の者から上の者に使われる接辞で、謙譲とか卑屈さを示すとされる。ロシアのアルファベットを昔はアー、ベーとは言わず、аз, букаと言い、.сはсловоと称した。また革命前は硬音子音の末尾には、今で言う硬音符(分離記号)ъ(ерと発音した)をつけたので、こう呼ばれた。-сはсударь (元はгосударь), старыйが短くなったものとされ、17世紀中ごろのイワン雷帝の時代では、Никита-стаとか、Василий-суまで短くなり、それが19世紀には-сだけが残り、現在では例外はあるが、ほぼ消滅したと言ってよい。-сを使う人は、おどおどした、おとなしい人、ないしは下の身分から出世した人によく見られるとあり、ロシア海軍の父とも呼ばれるНахимовも-сを会話によく使ったという。ロシア文学を読む際の参考になれば幸いである。
пожалуйстаも元はпожалуй старыйで、言わんとするところは、пожалуй, награди меня такой милостью твоей.(おいでになって、思し召しにあずからせてください)である。また19世紀に紳士に呼び掛けるときにМилостивый государьと小説なのには書かれているが、実際の発音はмилсударьだったとウスペンスキーの『言葉について一言』にある。
出題)「私を一人にしておいてくれませんか?」をロシア語にせよ。
Вы не могли бы меня
оставить в покое ?
----------------------------------
実際の通訳の上では、これで通じると思いますが、厳密に言えば、「放っておいてくれませんか」ですから、少し違うように思います。私の答えは、Вы не могли бы оставить меня одну?
меня とодну (одного)は同格で、直訳すれば、「一人の私を残して下さい」ということになる。оставив Зарубина в одиночестве(ザルービンを一人残して)とか、Дай мне побыть одному.(ちょっとだけ一人にさせてくれ)などと使える。後者もмнеとодному (одной)は同格である。
Оставьте меня одиноким пожалуйста.
---------------------------------
意図は分かりますが、このような語結合はありません。
Вы не могли бы оставить меня в покое?
Я хотел бы побыть один.
комплиментыと受け止め頑張ります。
------------------------------------------
二つの文を合わせてということで、正解です。
おぉ~
пожалуйстаにはそんな由来があったのですね。
(お題)
私を一人にしておいてくれませんか
(コーシカ訳)
Не могли бы остаться меня одним (одной)?
仮定法過去を使った丁寧な依頼です。
え、なんで不完了体?
行為そのもの「できませんか」を話題にしているから…かな
さて、正解は
ありゃ
「独りに」を造格にしてはいかんのですか。知りませんでした。
----------------------------------
остатьсяは自動詞ですから、補語を取れません。оставитьを使う必要があります。