2013年04月29日
●続和文解釈入門 第78回
体の使い分けは動詞によって違うという事も言えるが、同じ動詞でも語義によって、また時制によっても違うし、同じ時制であっても反復、過程、遂行動詞など用法によっても異なる。『和文露訳入門』は日本語の時制を中心に、和文露訳の観点から体の用法を考察したものである。
出題)「この時間を利用して市中を散歩した」をロシア語にせよ。
Воспользовавшись
этим временем,
я прогулял по городу.
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正解です。これだとその時間を目いっぱい散歩に費やしたという感じです。副動詞を使っているので、かなり文体的に硬く、会話体では使わないでしょう。私の答えは、散歩にも、他にも何かしたというニュアンスで、Я воспользовался этим временем, чтобы погулять по городу.
Я погулял по городу, пользуясь этим временем.
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正解です。пользуясь (этим) случаем(この場をお借りして)などは、スピーチで多用されます。
(お題)
この時間を利用して市中を散歩した
(コーシカ訳)
1) Я употребил(а) / использовал(а) это время на прогулку по городу.
2) Я воспользовался / воспользовалась этим временем на прогулку по городу.
格支配が異なるため2文に分けました。いずれも完了体過去によるアオリストと考えます。
さて、正解は
なるほどчтобыを使えば「~して…した」と動詞を2つ使えますね。
すっかり見落としておりました。
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употреблятьは、語学関係を除き、「使う」という意味では使いませんし、完了体の使う頻度はさらに低いと思います。использоватьはよいのですが、技術文献でよく使われ、非常に硬い感じがします。2)の動詞はよいのですが、наという語結合はないと思います。