2013年04月27日
●続和文解釈入門 第76回
Лев УспенскийのСлово о словахに、言葉が全ての単語が擬音から発声したのではないという例に、кукушкаが挙げられている。ロシア語でも英語cuckooでも鳴き声からというのは誰にでも分かるが、そうではない例として日本語のホトトギスが取り上げられている。学名をすり合わせるとホトトギスはロシア語でмалая кукушкаだから、間違いではないのだが、кукушкаだけならカッコウであり、これも鳴き声からであることは容易に推測できる。ちょっとした勘違いであろう。この本には中国語の他に、日本語の単語「火事、人、笑う〔「ばらう」と誤記されている〕など」もよく出てくる。1954年に出版した本で、こういう東洋語にも目配りが利いているのはさすがだと感心する。
出題)「折れた鎖骨がくっつき、病院を去るつもりになった」をロシア語にせよ。
Так как сломанная
ключичная кость
(ключица) была
сращена, я решился на
выписку из больницы.
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骨というのは自然に癒着するものですから、自動詞を使った方がよいということと、былаが入っていますからアオリスト的用法であり、つまり結果の存続ではないということになり、そういう意味では、次に続く文との関係が不自然のような気がします。私の答えは、Сломанная ключица срослась, и я стал собираться покинуть больницу.
この場合сталは順次的用法のために不可欠。
Сломанные ключицы соединились и я собирался выписаться.
いろいろありがとうございました。そんなにいろいろな機器がないので、普通にパソコンで見れたら大丈夫です。今でも、書籍が進化していることが驚きです。ちゃんと買います。
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соединитьсяは固定具で連結する、とか化合するという意味で違いますが、自動詞の完了体過去形を使っているのは結構なことです。ただ、問題はその後です。動作が次々続くわけですから、次に使う動詞も完了体過去形を使うべきです。ただсобратьсяには『和文露訳入門』4-1-3-1項に書いたように、完了体のсобратьсяは不完了体のсобиратьсяと違い、「前は~するつもりはなかったが、今は~するつもりである」という意味と、「長い事~するつもりだったが、ついにした」という完了体であるが故のニュアンスがあるため、статьのようにそのようなニュアンスがない動詞を選ぶべきです。露訳が正確なことにこしたことはありませんが、すべての語彙を知るというのは不可能です。どうしても類語や説明に徹せざるを得ないときも多いのですが、この出題のように、順次的用法を使うのだから、完了体過去形が連続で来るのだということを、瞬間的に理解する方がよほど大切です。この感覚を覚えること自体それほど難しいとは思えません。体の本質を知り、それを各用法(順次的用法、結果の存続、着手など)で、その正しさを確認し、それにより体の本質に迫るという勉強法の方が体の使い分けを知る、体の奥義を会得するにはよいと思います。
(お題)
折れた鎖骨がくっつき、病院を去るつもりになった
(コーシカ訳)
Сломанна ключина срослась, и я задумал(а) уйти из больницы.
治癒した結果、(正式な退院ではなく)病院を抜け出すことを思いついた、と捉え、
いずれも完了体過去でアオリストおよび順次的用法と考えました。
抜け出してそのまま帰らないつもりでしょうからуйтиとこちらも完了体不定形です。
「骨がくっつく」と言う場合、一般にはсоединитьсяの方が使われるような気もします。
さて、正解は
Я стал собираться покинуть больницу.ですか!
まぁ確かに病院を抜け出すのは確かに色々と影響が大きな決断ではありますね。
соединитьсяだと器具などを使っての意味になるのですね。勉強になりました。
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出題のとらえ方の問題ですが、正解は正解です。ключицаが正しいスペルです。凡ミスでしょう。