2013年04月25日
●続和文解釈入門 第74回
想像中の動作の現在Настоящее воображаемого действияという用語があって、想像する場合は現在の時制を用いるという事であるが、Лев УспенскийのСлов в Словах (Зебра Е, 2009)の中に、Вообразите себе, что «дом стоит», так, чтобы можно было сразу понять, что он именно «стоит», а не «стоял», не «встанет», не «будет стоять», - разумеется, вам не удастся.(まさに「家が立っている」のであって、「家が立っていた」でもなく、「(未来の時制で)家が立つ」のではないということがすぐ理解できるよう、「家が立っている」と想像しなさい。もちろんそれは無理だ)という文がある。これを読んで気がついた。「家が立っていた」と想像するには、立っている家を頭に描いて、それから過去とか×印とかつければいいのだろうか?「これから家が立つ」では、空き地を想像して、透けた家が立っているところを想像すればよいのだろうか?こういう風に考えると、想像では、時制は現在形でしか表せないという事になる。
(あなたが彼女と後に、しばらくしてから上流階級の集いで会うと想像してください)Вообразите же, что вы встречаетесь с ней потом, через несколько времени, в высшем обществе.
しかし、仮想の状況での二つ以上の動作が続くときは、先行する動作の完遂ならその部分は完了体過去形が来て、それ以降の動作は現在の時制である。ロシア語には未来完了形がないので、完了体過去形で代用していると考えられる。この場合допустим(仮に~とする、~と仮定しましょう)という挿入句があるのが普通で、そういう意味では分かりやすい。
(あなたがワッチ(当直)に立って、地図の上にかがみこんだとしましょう。ほらこれが針路です。右手にはどこかの王国、左手にはどこかの国、まるでおとぎ話ですよね)Встали вы, допустим, на вахту, склонились над картой. Вот ваш курс, справа некое царство. Слева некое государство, как в сказке.
出題)「何もしなければ何も変わらない」をロシア語にせよ。
Ничего не поделаешь,
ничего не изменится.
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お答えだと、どうしようもない、何も変えられないとなり、設問とは違います。私の答えは、Если ничего не делать, то ничего и не изменится.
例示的用法の例。
Есль ничего не сделать, то ничего не изменится.
話し手からみて、совと思いました。
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主文はおっしゃる通り、完了体未来形の例示的用法(不可能という用法であると理解してもよい)で正解です。ここが出題の狙いですから、それはそれでよいのですが、если (есльは単純なスペルミスでしょう)からの従属節は、否定文なので不完了体とすべきです。完了体にすると否定文の場合は不可能となり、出題とは違います。
(お題)
何もしなければ何も変わらない
(コーシカ訳)
1) Не делаешь, ничего не изменяешь / ничто не изменяешься.
2) Не сделаешь, ничего не изменишь / ничто не изменишься.
1)は何もしていないから何も変わっていない、と現在の状況を指すため不完了体現在で
2)は完了体未来を使うことで意識して取り組まないと今後も何も変わらないよ
と発破をかけている言い方です。
-сяを付けることで行動と結果がより強く意識されるのでは、と考えます。
さて、正解は
わ、全然違う…
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если以下はнеが来ているので、不完了体が来ます。否定文には動作がないということで、不完了体が来ます。неに完了体が来れば、主観的ニュアンスの不可能の意味になりますから、普通否定文では、そのようなニュアンスのない不完了体をも散るべきです。主文は「もし~ならば」ということで、完了体未来形の例示的用法です。