2013年04月14日

●続和文解釈入門 第63回

くしゃみをするとロシアではБудьте здоровы!と声をかけてくれる。これは東スラブ族の伝説で、くしゃみは霊や魂と人が接触するときに起こると考えられたものである。そういう意味での「お大事に!」ということなのである。中世の日本ではくしゃみをすると鼻から魂が抜けると信じられており、そのためにくしゃみをすると寿命が縮まると信じられていた。そこで早死にを避けるため「くさめ」という呪文を唱えるようになったとある。日本語のくしゃみについては休息万病、休息万命の早口言葉だとか、糞食めだとかという説がある。

出題)受付(守衛所)からの連絡で、
「お客さまです」
「どちらさま?」
「イワノフさんです。通行証を出しますか?」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2013年04月14日 06:36
コメント

Гость пришел.

Кто именно ?

Господин Иванов.
Пропуск выдать ?
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最初の文は来訪者がイワノフさん一人なので、こういう風に単数が来ています。確かに一般家庭の訪問者ならこういう言い方をするでしょう。ただ冗談めかしてなら別でしょうが、会社ではこうは言わないと思います。また最後の文で完了体を使っているのはまずいでしょう。私の答えは、- К вам пришли.
- Кто?
- Г-н Иванов. Выписывать пропуск?
このようにК вам пришили.は来客が一人でも使える。これはイワノフさんだから一人と考えるのは、また受付や守衛もその人だけ見ているから、単数が来るというのは理解できるが、通行証を申請するのが一人でも来客が一人とは限らないことということもあるが、それよりは複数で不定性を示しているのだと考えられる。単数にすると具体化ということで、それが顧客か出入りの業者か分からないのに具体的な名詞を出さなければならなくなる。不定人称文を使うのというのは、そういう意味で主語を立てなくてもよいという長所があるからである。現に来客が一人であるという事が受付や守衛所で分かっていても、こういう理由から不定人称文が使われることが多い。日本語は単数・複数を明確にしないとはいえ、「お客さんが来た」というときに、一人でも二人でも、3人でもどうでもいいわけで、単数かどうかは特に意識はしないはずだ。ロシア語でも同じことが言える。マリーニナМарининаのУбийца поневоле, ЭКСМО, 2011(不本意な殺人者)にも来訪者が一人にもかかわらず、受付が不定人称文を使う場面が会話で示されている。
最後の文で不完了体不定形が来ているのは、受付(守衛所)に来て、訪問先の名前(社員の名前)を知っている以上、通行証を出して当然という意識が話し手(受付や守衛)にあり、着手の意味で不完了体が来ている。この不定形は「~しましょうか?」という意味である。このように話しの雰囲気(文脈の流れ)において、場依存型であれば、不完了体不定形を使う。『和文露訳入門』の6-1-1を参照ください。

Posted by ブーチャン at 2013年04月14日 06:50

-К вам посетитель.
-Кто это?
-Господин Иванов. Дадите ли ему пропуск?
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ブーチャンさんと同じ答えですね。それとдать/даватьは使わないと思います。通行証を渡すのは受け付けないし守衛であり、渡す許可を求める(渡してよいかと尋ねる)なら分かりますが。

Posted by 角丸 at 2013年04月14日 13:47

- К вам гость.
- Кто пришёл?
- Иванов. Можно выдать ему пропуск?
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ラスードヴァРуссудова先生は、надо, должен, можно, нужноという叙想語(話し手の主観を示す言葉)は不完了体不定法での基本的ニュアンスは、発話の時点に直接結びついた動作着手のニュアンスであり、語義上はпораに近くなると、『ロシア語動詞 体の用法』(吾妻書房、1975年)で述べておられ、次のような例文を挙げておられます。

(紅茶をお注ぎしますか?それともコーヒーの方がよろしいですか?)Можно вам налить чаю? Или вы предпочитаете кофе?
(もうそろそろコーヒーを注いでもよろしいですか?)Можно наливать кофе?)

ですから、出題の場合は不完了体不定形を用いるべきです。もし完了体不定形を使うとしたら、受付にホームレスとかヤクザが来て通行証を求めたときに、こういう人に出していいものかという主観的なニュアンスが出るような場合です。

Posted by ゴ at 2013年04月14日 22:38

(お題)
受付(守衛所)からの連絡で
「お客様です」
「どちらさま?」
「イワノフさんです、通行証を出しますか?」
(コーシカ訳)
– Посетитель.
– Кто приезжает?
– Гоподин Иванов. Выдаваем ли мы ему отпуск?

2文目は力点が「誰」にあり、現在の状況を指してもいるため不完了体現在
3文目のвыдаватьはイワノフ氏が来ているという流れを受けての不完了体です。
さて、正解は
К вам пришли.と複数を使うのですね~
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問題はКто приезжает?です。目の前に来ていると連絡を受けているのに、繰り返し来るのは誰ですかと尋ねているわけで、時制と体の用法に混乱が見られます。

Posted by コーシカ at 2013年05月02日 21:59
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