2013年03月25日

●続和文解釈入門 第45回

実在したかどうかは不明だが、明の時代に我来也という怪盗がおり、忍び込んだ家に自来也と書き置きしたという。日本では自雷也となって、歌舞伎や漫画でガマに乗って忍術でドロンと消えたり現れたりする怪人になった。戦後のモスクワも治安の悪いところで、1946年3月6日付夕刊モスクワВечерняя Москваに黒猫Чёрная кошкаという記事が載り、窃盗団「黒猫Черная кошка, Шайка чёрного кота」が盗みを働いた後、Не ищите нас, здесь была "чёрная кошка".(探しても無駄だ、黒猫参上)という落書きを残したと伝えている。この窃盗団は一つではなく、一種の流行りのようなもので、いろいろな窃盗団が黒猫を名乗り、モスクワだけではなく、オデッサなどにも現れた。モスクワの地下鉄の入口近くあった黒猫の落書きも当時の写真で残っている。「待ち合わせの場所を変えることはできないМесто встречи изменить нельзя」(1979年)というヴィソーツキーВысоцкий主演の映画に、この黒猫のエピソードが事実とは違うが描かれている。黒猫については拙著『ロシア史異聞』(東洋書店、ユーラシアブックレット)に少し書いた。

 怪盗や窃盗団は別にしても、観光地などの落書きで、英語でもKilroy was here.があり、ロシア語ではЗдесь был Вася - Эта надпись стара как мир.(「ワーシャ参上(見参)」、これは世界の誕生と同じくらい古い落書きだ)ということもある。落書きやイタズラ書きはнадпись на стене(壁の落書き)と言い、надпись= короткий текстであり、граффитиも同義語だが、不変化で複数扱いである。卑猥なものは、стирать мокрой тряпкой всяческую похабщину(どんな卑猥なイタズラ書きもぬれ雑巾で消す)という表現もある。

出題)「30時間コースの受講者数は年間300名にのぼる」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2013年03月25日 07:58
コメント

Число слушателей
курса лекции на тридцать часов
достигает триста
человек в год.
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惜しいですね。достигать + 生格なので、трёхсотにする必要があります。私の答えは、Число занимающихся на 30-часовых курсах достигает 300 человек за год.

Posted by ブーチャン at 2013年03月25日 08:34

Участников тридцатичасового курса насчитывается триста человек в год.
Kilroy was here 聞いたことありましたが、意味は初めて調べて知りました。
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насчитываетにしないと文法上おかしいと思いますし、その主語は総称名詞か単数のもの(工場、都市)となります。участие = совместная с другими деятельностьであり、участникは参加者ということですから、やや的外れであり、語結合的にもв + 前置格が来るようにお思います。

Posted by ゴ at 2013年03月25日 22:54

(お題)
30時間コースの受講者は年間300名にも上る
(コーシカ訳)
Посетители 30 часового курса насчитываются 300 человек в год.

年間での人数が話題になっており、長期に亘る事柄であること
現在の人数についての話題であること(状態)を考えて、不完了体現在です。
何人と言う場合は複数でもчеловекを使うようですね。
さて、正解は
Число достигает ... человек.を基にした文なのですね。
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посетительは店のお客ですから、受講者という意味では使わないでしょう。

Posted by コーシカ at 2013年04月07日 23:03
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