2013年03月16日
●続和文解釈入門 第36回
天皇関係の本を最近3冊読んだ。一つ目は『歴代天皇総覧』(笠原英彦、中公新書、2001年)である。歴代天皇の事績を古事記や日本書紀も交え、歴代天皇について事績を簡単に記している。第25代武烈天皇が暴君だとは知っていたが、第21代雄略天皇もそうであり、第57代陽成天皇もその気味があり、また第63代冷泉天皇は精神的に不安定であり、第65代花山天皇に至っては乱心とある。逆に賢帝とされるのは、名前がよく知られている天智帝、天武帝を除けば、第71代後三条天皇、第73代堀河天皇、第80代高倉天皇などを挙げている。南北朝についても正統である根拠は、三種の神器を所有していた南朝であるとの立場は理詰めだなと思った次第である。宮中某重大事件などにも簡単に触れており、昭和天皇が終戦はともかく、開戦拒否の聖断を下し得なかったなどと客観的な目で天皇制について述べている。
もう一冊は『女帝の古代日本』(吉村武彦、岩波新書、2012年)で、日本には8人10代の女性天皇が中天皇(ナカツスメラミコト)として存在した。これは卑弥呼の時代から、国が乱れて、後継者が決められないときや、子や孫が幼くて公務を任せられないときに、中継ぎとして女帝が使われたことがよく分かる。そのため女帝は即位してからは、子供を作らせないために独身を強いられたというのは個人的な悲劇でもある。
3冊目は『大正天皇』(原武史、朝日選書、朝日新聞社、2000年)で、あまり世に知られることのない大正天皇(1879~1926、在位1912~1926)につき、遠眼鏡事件も含めて温かい筆致で描かれている。大正天皇が神前結婚式の初めであるとか、皇室において一夫一妻を初めて守ったなどが触れられており、皇后との相性もよかったようで、家庭的で人間味あふれるお人柄がしのばれる。日本人として日本史や天皇についてよりよく知るために、この3冊を勧める。
出題)「思い出したら電話するよ」をロシア語にせよ。
Вспомню и позвоню.
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体の用法も語彙も正確です。どこがおかしいかというと、それは間がないことです。二つの動作の間に、一瞬でも間がないと、論理的におかしいわけで、出題の正答とはなりません。つまり、вспомнюの後にカンマか、できればダッシュтиреを置くべきなのです。会話で話す時も、вспомнюで一呼吸置かないと、「思い出して電話する」というような変なロシア語になると思います。私の答えは、Если вспомню – позвоню.
完了体未来形の順次的用法で、例示的用法も入っている。
Если вспомню, позвоню.
Если буду помнить, позвоню.
二つ目は、ずっと覚えてたら、そのときは電話する、という気持ちです。
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出題から見れば、最初のだけが正解です。
(お題)
思い出したら電話するよ
(コーシカ訳)
Вспомню – тебе позвоню.
完了体未来による条件法です。
さて、正解は
あれ、順次的用法で例示も?
間違えて覚えてますね…
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ご理解は間違いではありません。順次的であることにより、条件法的な意味が出るということにすぎません。