2013年03月13日
●続和文解釈入門 第33回
出題の短文は、何の文脈もないので、いろいろな解釈が可能な場合もある。そうであれば、自分なりに文脈を設定して、それに従って体の使い分けをするようにしないといけない。露訳したその露訳を、読むほうがいいように解釈してくださいという、おまかせでは困るというのは分かるだろう。通訳は厳密に意味やニュアンスを相手に伝えることが必要である。そのためにこそ体の使い分けを完全にマスターすることが必要である。
出題)「レースに勝った車のガソリン消費量はいくらかというテーマで賞金20万円付きのクイズが読者に出された」をロシア語にせよ。
Читателям была
подана викторина с
денежной премией
200.000 иен по теме,
каковы будут ли
расходы бензина
победоносной машины
в автогонках.
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податьは役務として実際に物体、書面を届ける、差し出すということで、抽象的なものでは、考え、援助、合図、助言ぐらいで、クイズを出すという語結合はないと思います。темаはнатемуという語結合がよく知られています。疑問代名詞があるのにлиはよけいです。побудоносныйというのは「勝利をもたらす、いつも勝つ」ということで、「勝った」という意味にはなりません。このレースは1回(ないしは1回ごと)のレースのガソリン消費を聞いていると取るのが普通であり、複数回のガソリン消費量を聞いているのではないことはお分かりになると思います。不定回数のレースのガソリン消費量などだれも答えられるはずがないからです。まあ特定の複数回のレースという解釈もできないことはないでしょうが。私の答えは、Среди читателей проводилась викторина с призом в 200 тысяч иен на тему "Сколько бензина использует машина, которая победит в заезде?".
Читателям задали вопрос с премией в двести тысяч иен на тему о том, сколько бензинов потратил автомобиль, который победил на соревнованиях.
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かなりよいところをいっていますが、いくつかコメントします。クイズについては、第25回本文にて解説していますが、お読みにならなかったのでしょうか?ガソリンは単数で用います。ガソリンの消費は未来の出来事です。過去の出来事なら、調べはすぐつくことで、そういうことを20万円ものクイズにはしないと思います。これは日本語では完了体未来形の確述(確言)という用法ですから、ロシア語でも、少なくともガソリンを使うというところは、未来完了形にする必要があります。そうでないと、すべてが過去の出来事になってしまいます。それとтратитьは「金を使う」というのが基本的な意味で、後は、語結合的に、тратить энергию, время, силы, здоровье, способностиとなり、ガソリンを消費するという意味では使わないと思います。
(お題)
レースに勝った車のガソリン消費量はいくらかというテーマで賞金20万円付きのクイズが読者に出された
(コーシカ訳)
Читателям задали загадку с премией 200 000 иен на тему,
сколько расход бензина пришлось машине, которая победила в гонке.
出題、ガソリンの消費、レースでの勝利のいずれも発話時点より過去の事柄であり、
長期に亘る行為でもないと思われますので、すべて完了体過去を充てました。
さて、正解は
これではレース終了後から遡って出題、に取られる恐れがありそうですね。
на тему以下を引用符で括って、そこに未来形の文を入れれば確かに解決しますね。
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сколько расходという語結合はありえません。