2013年03月10日
●続和文解釈入門 第30回
和文露訳の理想は手元に和露辞典があれば、それだけで正しい露文がすぐ作れるということだろう。そのためには和露辞典の方も類語の使い分けの整備などが必要であり、ロシア語の初級を教えるときに、初級文法の他に、体の使い分けを完全に理解させることが必須となると思う。
出題)「お見送りはけっこうです」をロシア語にせよ。
Нельзя провожать.
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体の用法は正解です。お答えを和訳すれば、」「送るのはだめです(いけません、禁止です)」ということで、「けっこうです」も切り口上で言えば、禁止のニュアンスも出ますから、一概に間違いとは言えませんが、普通は、不要(不必要)という意味のはずです。それと、この動詞は目的語(対格)、ないしはдо дома(家まで)などの補語が不可欠です。動詞だけの用法はありません。また、被動形動詞過去形を持たないのが特徴です。私の答えは、Провожать меня не надо, спасибо.
不必要を示すので不完了体を用いるのが必須である。
Не стоит меня
провожать.
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正解です。
Провожать не стоит.
Не нужно провожать.
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補語が必要です。
(お題)
お見送りは結構です
(コーシカ訳)
Меня не надо провожать.
研究社和露→ЗиР=ザルービン・ロジェーツキンと引くと、そのものズバリがありました…
「不必要を意味するне надоのあとでは不完了体不定形を用いる」
(研究社、1073頁、надо)のはなぜかを自分でも考えてみました。
そうするのが当然と話者は考えておらず、それが必要とされる状況でもないため、です。
ここで完了体不定形を使ってしまうと、何が何でも見送り禁止!とあらゆる可能性を否定する
強い拒絶の意味合いを持ってしまうのではないかとも思いました。
не стоитというのも丁寧で良いですね。
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не надо + 完了体不定形は語義上ありえません。нельзя + 完了体不定形は不可能を示すわけであり、не надо + 不完了体不定形は、文脈によって不必要、禁止を示します。