2013年02月16日

●続和文解釈入門 第8回

『和文露訳入門』第1章の「体の本質と規範」中の体の本質についての説明を、以下のように追加変更した。お求めになった方は一読されたい。

『ロシア人が無意識とは言え、どのように体の使い分けをしているかを念頭において、いくつかの仮説を立て、それを時制や命令法、仮定法の例文で自分なりに検証した結果、体の本質が何かというなら、それは、

不完了体は動作や状態という素材そのものであり、完了体は動作や状態が主観的ニュアンスを帯びたものである

ということになる。不完了体は無色の、付加的なニュアンスのない動作や状態そのものであるために、過去や未来の時制では、動作の有無の確認(動作の名指し)という形で現れやすい。完了体の帯びる主観的(叙想的)ニュアンスというのは、懸念、期待、動作の完了、新しい情報や事態の出現とか、否定文では不可能、否定の強調などという、話し手の考える主観的なものを指し、具体的な1回の行為などもそうである。現在の時制では、完了体は結果の現存(現在完了)という形でしか現在と関係を持てない。それを補うために、無色である不完了体は経過や繰り返しという役割をも引き受けざるを得なかったことになる。また命令法でも、その場の雰囲気に沿った動作という事なら、無色である不完了体が使われる。それらを勘案すれば、

不完了体は場依存型で、完了体は場独立型である

ということにもなる。ここでいう場というのは、特定の具体的な場ではなく、この状況ではこうするのが一般的だと感じられるような場を指す。「その場の空気が読めない」の「その場の空気」と考えてもよい。このような場には聞き手は含まれるが、話し手は含まれない。話し手が関係するのは主観的ニュアンスのほうである。

聞き手に違和感のない動作だと話し手が思う動作に
不完了体が使われる

ということになる。不完了体の用いられるのは、動作や状態が聞き手の想定内であり、意識の上では、慣習的であり、惰性的に続いていると考えてもよい。過程やその延長上の予定の用法も、繰り返しや遂行動詞も、聞き手にとって動作の予想がつくという事はお分かりになるだろう』

出題)「お騒がせして恐縮です」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2013年02月16日 08:06
コメント

Извините за
беспокойство.
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出題自体が広く解釈できるものですから、お答えも正解ですが、お答えは日常的に使われる、例えば、Извините за беспокойство, мне бы хотелось вам сказать.(お邪魔して申し訳ありませんが、お話したいことがありまして)という感じです。私の答えは、より深刻な、北朝鮮の核実験に対し「遺憾である」という感じで使うもので、Сожалею, что нарушиши ваш покой.
遂行動詞の例。「ご迷惑をおかけして(お騒がせして)恐縮です」なら、Я очень сожалею, что доставил вам беспокойство. でもよい。

Posted by ブーチャン at 2013年02月16日 09:41

(お題)
お騒がせして恐縮です
(コーシカ訳)
Мне жаль, что вы беспокоены.

なんとなく、話者は自分が悪いと思っていない、という感じを出した方が良いように思いました。
自分がそう思っているのではない、という雰囲気を出そうと主語を与格に、
相手が煩わされている状態を表すため、目的語を必要としない形容詞短語尾を
それぞれ充てました
(自分の答えながら、こんな言い方をしたら喧嘩になりそうです…)。
さて、正解は
うぉ、真逆でしたか。
平穏を乱してしまい申し訳ない、という雰囲気ですね。

Posted by コーシカ at 2013年02月18日 00:32
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