2013年02月20日
●続和文解釈入門 第12回
疑問詞との組み合わせでは、疑問詞に文の焦点が来ることが多いために、不完了体が来ることが多いが、забыть忘れる、потерять失う、разбить割る、сломать壊す、убить殺す、ударить殴る、уронитьなくす、などの瞬間動作動詞(瞬時の移行・変化を示す動詞)を含む否定的結果の意味がある動詞で、文脈から結果の現存を意識しやすい場合は、文の焦点が動詞に向かいやすいということもあって、疑問詞との組み合わせでも、完了体過去形が来る場合が多い。新規の情報のため、動詞も含めて文の各成分すべてに焦点が来るのだと考えてもよい。
これらの動詞が普通の文脈で、当然そういう動作をするのが当然という文脈は普通はあり得ないはずだ。部屋に人を招いて、ソファーがあれば、おかけ下さいСадитесь.<不完了体命令形>というのは雰囲気的に自然だが、部屋に花瓶があっても、花瓶を割りなさいというのは普通の文脈ではありえない展開であろう。もし敢えて露訳するならРазбейте вазу.と完了体が来るはずだ。そういう意味で、これらの動詞は語義的に場独立型であり、完了体が出やすいという事は言える。
出題)「彼は公園の反対側に向かった」をロシア語にせよ。
Он направился к
другой стороне
парка.
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сторонаには方向、側面などの意味があり、方向という意味では、ネットではк сторонеというの耳にしないではありませんが、語結合辞典ではв сторонуという語結合になります。一方、側面という意味ではна сторону, на стороне, по сторону (жить, находиться), по стороне (идти)などと使います。方向と解してもよいのですが、私の答えは、方向ではなく、反対の端(場所)にしました。Он пошёл в противоположный конец парка.
「市の反対側へ」ならна другой конец городаと言い、городにも同じような用例がある。
Он пошёл напротив парка.
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наротив = прямо перед кем-, чем-либо; на противоположной сторонеであり、向かい側に(反対側に)〔ある〕ということで、方向を示す動詞との語結合はないと思います。 またнаротивは二つの意味があるので、これを使うときは明確に語義が分かるように使わないと、公園の向かい側なのか、反対側なのか聞いている方には理解できないような気がします。
Он пошёл в противоположную сторону парка.
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正解です。
(お題)
彼は公園の反対側に向かった
(コーシカ訳)
Он направился в противоположную сторону парка.
過去の1点と考えましたので完了体過去です。
公園の反対側に向かったのは確かだがその後行方不明、というように
「向かった」を強調する場合には不完了体もありうると思います。
противныйでは意味が広いと感じましたので、
場所であることがより明確となるпротивоположныйを使いました。
さて、正解は
動詞はпойтиでよいのですね。
конецにこういう使い方があるとは知りませんでした。
コーナーみたいな感じでしょうか
(それやったらуголかなぁ、いやいや機関車とか機械でいうエンドが近いかも…)。
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お考えのようにアオリスト的荷も考えられるし、結果の現存でも文脈によっては(たった今の発話なら)可能です。「向かった」を強調すると不完了体になると考えるのは間違いです。動詞を強調するというのは動作に焦点があることになり、それは完了体の領域です。繰り返しであれば、不完了体でも強調することは可能です。ですから強調ということに主眼を置くのではなく、場独立か、場依存かということが重要なわけです。уголは隅や角ですから、公園が四角とか三角などの形状をしているという前提になります。