2012年12月09日
●和文解釈入門 第569回
〔ご健康を祈って乾杯〕に遂行動詞を使おうとして、Предлагаю тост за Ваше здоровье!やПоднимаю бокал за Ваше здоровье!とするのはよいが、Пью за Ваше здоровье!だと、発話が終えるまでに、ウオッカを飲まなければならないような気がする。これでは一気飲みを勧めているようなもので、まずい。それならПью を不完了体現在形の直近の予定の用法と考えればよいか?いずれにせよ、飲むことに変わりがない。ロシア人と飲む時は一気飲みなので、乾杯の時以外は絶対に酒を口にしないという鉄則を忘れないようにしたい。日本人は乾杯の時以外にも、勝手にチビチビ飲むので、そういう事のしないロシア人より先に酔う。ましてや、相手は二日酔いの元であるアセトアルデヒドの分解能力がある酵素をほぼ全員がもっているロシア人(白人)であり、我々モンゴロイドは半数の人しか持っていないということを肝に銘じるべきだ。
設問)「私があなただったらはっきりさせますがね」をロシア語にせよ。
Я прояснил бы, если
я вошел бы в ваше
положение.
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正解ですが、прояснитьは他動詞ですから、делоとか補語があった方がよいと思います。私の答えは、Я бы на вашем месте разобрался.
Если бы я стоял в вашей ситуации, я выяснил бы вопрос.
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стоятьには находиться, располагатьсяという意味があるのですが、一人称や二人称が主語の時は使いません。三人称の時だけですし、高さのあるものが主語になることが多いと思います。ситуацияは状況という意味ですが、日本語のシチュエーションと同じ外来語なので、それほど使われません。設問は、私があなたの状況におかれたらというよりは、私があなたの立場だったらと考える方が自然です。
Если бы я была вами, я выяснила бы.
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直訳ですね。仮定法過去はあり得ないことを示すのですが、さすがにロシア語では、わたしがあなたであればという言い方はしないと思います。それとвыяснитьは他動詞ですからделоとか補語が必要だと思います。
Если бы я был на вашем месте, я выяснил бы.
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ほぼ正解ですが、выяснилの後にделоかなにか補語を入れたほうがよいと思います。
ありがとうございました。разобраться ですか。自分ではとても使いにくい動詞の一つです。こういう動詞を自由に使って露訳したいものです。Если бы я была вами ですが、ネットではよくヒットしたのですが、最近のもの?あるいは俗語の類でしょうか。
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申し訳ありません。ヤンデックスでのヒット数が、
Еслибы я была вамиでは35、
Если бы я был вамиでは115
とほとんど無視できるような数だったので、不正解としました。万か十万の単位でないと、流行語の類か、個人的な表現と呼ばざるを得ないので、そういうのを私たち外国人は真似すべきではないと思います。言語というのは相互理解が基本にあって、ネットとの利用者(特に書き込みするのが年配者では若者に比べて多くはないでしょうし、そのロシア人であってもロシア語力については日本語のブログ同様、私はそれほど評価しません)を、この意味で完全に信用することはできません。しかし、
Если бы я бы тобойで5,000、
если бы я была тобойで205ヒットしていますから、まったく駄目だとは言い切れないと思います。
ネットでのヒットがあるときに、数が重要です。例えば、
Если бы я была вамиで、83 млн ответовとあれば、8300万のヒットがあるということではありません。если, бы, я, была, вамиがそれぞれ独立しているものが含まれているブログ、サイトの数をカウントしているだけだからです。正確には、両サイドにアポストロフィーで囲んで、"Если бы я была вами"と語句を固定する必要があります。大文字小文字は関係ないようです。この他に、была とбыл、вамиと тобойを入れ替えて見るとか、 "если бы"と"я была вами"だけでやってみて、カウント数が万単位なら、私はロシア語としても使えると判断しているわけです。専門の学者では数十万単位でないと使えないと判断するかもしれません。これまで私がネットで使われているが、誤差範囲というのは、カウント数が百単位以下のものです。これについては異論はあり得ますが、個人のロシア語の単語の使用について、私があれこれ指図をする立場ではなくて、基本的に使う人が自分の判断で使うというのは当然のことです。
アクーニンの小説の中に、если бы я был не я(僕が僕でなかったら)という表現はあります。
最初、「私があなたの立場だったら…」としようとして、まさか "вами" は使えないだろうけど試しに入れてみようとトライした結果がこれでした。さとうさんが、ネットは玉石混淆だからとよく言われているの知ってはいたのですが、まさかと思っていたものがあったので思わず嬉しくて使ってしまいました。外国人が変なスラングを使うと品性を疑われそうですね。