2012年11月15日

●和文解釈入門 第545回

(242) 「一下級将校の見た帝国陸軍」、山本七平、文春文庫、1987年
 山本七平の軍隊応召から捕虜になって帰国するまでを描く。ある教授が著者に日本人は事大主義者だからと述べるくだりがある。事大主義というのは広辞苑では「自主性を欠き、勢力の強大な者につき従って自分の存立を維持するやり方」とある。勢力の強大な者を「お上」とか、「権威」に読み替えれば、確かに日本人は事大主義者であろう。軍部崇拝から、敗戦後にはマッカーサー支持なりという豹変を考えるとその通りである。日本人はお上や権威を恐れるのではなく、畏れるのである。欧米はアナーキーだからキリスト教のような宗教や、ロシアならそれに変わる社会主義のようなもので国民を抑えないと暴走してしまう。日本には神仏習合があり、これは一種の多神教だから一神教と違い、絶対的なものが違うが、秩序は大事にすると言うところか。司馬遼太郎はいろいろな人と対談して、だれとでもそれなりに渡りあった人だが、山本との対談を読むと、なんとなく精彩が欠くような気がする。本書で知ったが、身を犠牲にして部下の命を救った将校たちに比べれば、口先ばかりで自決も満足にできなかった東郷英機とか海軍の将官嶋田繁太郎など恥ずべき限りである(これについては「東京裁判」、2巻、児島襄、中公新書、1971年参照)。山本はフィリピンで地獄を見た人だが、最後の最後まで事を投げず、絶対に絶望せず、絶えず執拗に方法論を探求し。目的に到達しうるまで試行と模索を重ねていける粘り強い精神力を持った人だからであろう。山本は何事にも疑問を持って臨み、その答えを探し求め、そして得るというタイプの人に思える。疑問を持って探し求めるまで至る人は少ないが、自分なりの答えを得るのは簡単なことではない。

設問)「工場は8時間3交代制で稼働している」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2012年11月15日 07:26
コメント

Завод работает
в три смены по 8 часов
(каждая).
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正解です。ただкаждыйを状況語として数詞の後に末尾に独立してつける用法がありますが、つけるのは意味が取りにくい場合であり、この場合、冗語であり、特につける意味はないと思います。設問は工場見学でよく使われるもの。私の答えは、Завод работает в три восьмичасовых смены.
「2シフトで」ならв две смены

Posted by ブーチャン at 2012年11月15日 07:44

Завод работает в три смены по 8 часов каждая.

24時間稼働していて、1シフト8時間×3という意味にとりました。
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その通りの理解であり、正解です。状況語としてのкаждыйがお好きなようですが、お答えでも文法的には、間違いないでしょうが、Заводы работают в три смены каждый.としたほうが、強調という意味でつける意味はあります。もちろん、このような状況語が主語を示すのだということではありません。言葉を補足するというのは、何らかの意味があるのであり、なくて意味が分かるなら、普通はつけないほうがすっきりしますし、通訳するときは、常に次の訳文を考えているので、時間は1秒で惜しいので、無駄な時間はありません。

Posted by メイ at 2012年11月15日 23:24

На заводе работают три смены по восемь часов.
Завод работает в три смены…あー、続かない。
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по восемь часовとかвосьмичасовойにすれば続きます。На заводе идёт три смены по восемь часов.とすれば正解です。

Posted by ゴ at 2012年11月15日 23:40

(お題)
工場は8時間3交代制で稼働している
(コーシカ訳)
Завод идет с трем очередной группы восьмичасовой работы.

1グループあたり8時間で24時間フル稼働、と考えました。
工場は動きっぱなしなので不完了体で定動詞のидтиかな、と思いました
(英語ならrunでしょうね)。
さて、正解は
動詞はやっぱりработать、「交代(制)」はсменаとそれぞれ定語があるのですね。
これくらいがすっと出て来んようではまだまだ…
The factory runs (is running?) in three eight-hour shifts.

>日本には神仏習合があり、これは一種の多神教だから一神教と違い、
>絶対的なものが違うが、秩序は大事にすると言うところか。
「多神教社会における秩序」ですか、興味深いです。
最近ヒンドゥーについて軽く読みました。
インドでは(また実は多分にその思想的影響下にある日本においても)どうかな、
と考えてみると
功徳を積む、という観点で現世の秩序維持に貢献しているのではないか
(また秩序を維持するものとしての権力に服従しているのでは)、と思いました。
功徳や善行を積む、という発想はアラブにもイスラーム以前からあるようです。
違反したものを処罰する法や権力への恐れから秩序に従う、といった外圧だけではなく、
人間が自主的に秩序を維持しようと考える内からの要因として働くもの、
と考えると面白いですね。

Posted by コーシカ at 2012年11月22日 15:31
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