2012年11月09日
●和文解釈入門 第539回
私のメル友のヒサムトジーノフА.А. Хисамутдинов教授がまた日本のロシア人に関する新作Токио – Иокогама: Русские страницы(東京・横浜:ロシア人のページ)を出版された。ご興味のある方はtypress@mail.ruにて注文可能。価格は10ドルぐらいとのこと。送料は別で、支払方法などはそのメールで出版元の極東大学Издательство Дальневосточного университетаに問い合わせてほしい。二カ月ぐらいすれば電子書籍としての販売も検討しているとのこと。本書については、日本人の姓名の読み方など、ほんの少しお手伝いしたので、売れてくれればありがたいと思う。日本のロシア人にご興味のある方は、函館、長崎、日本全体についても教授は、「北海道函館のロシア人――余白のメモРусские в Хакодате, или заметки на полях」(極東大学出版部、2008年、ウラジオストーク)、「ロシア的長崎――稲佐での最後の停泊Русский Нагасаки или последний причал в Инасе」(極東大学出版部、2009年、ウラジオストーク)、「ロシア的日本 Русская Япония」(Вече, 2010, Москва)他の著書があるので、ご興味のある向きはどうぞ。
設問)「二人の人間がこれの例外だった」をロシア語にせよ。
Два человека было
исключено из этого
числа.
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お答えを直訳すると、「二人の人間がこの数から削除された」となります。これは設問とは違うと思います。私の答えは、Два человека составили из этого исключение.
(お題)
二人の人間がこれの例外だった
(コーシカ訳)
1. Два человека были исключением (в этом случае).
2. Два человека представили собой исключением (в этом случае).
例外に力点があるので動詞は不完了体でもいけそうな気もしますが、
既にはっきりした結果について述べていると思われますので
1. はただ単にбыли、2. には完了体過去を充てました。
「例外」は無数にありうることを考えると複数を取るべきところかもしれませんが
この場合は想定内か例外かの二分法で考えていると思われ、
後者に分類されるべきものという意味合いで単数を使っております。
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カッコを取れば正解です。文脈次第、また書き手の考え方で完了体にも不完了体にもなりえます。完了体過去にする場合は、アオリスト的用法か、結果の現存であり、不完了体過去であれば、動作の有無の確認ということになります。設問の日本語を見る限り、両方可能です。体の用法は使う人の気持にも左右されるという一例です。例外であるというのは、быть, являть исключениеやпредставлять исключение, составлять исключение, предсталять собой исключение、例外となるはделать исключениеがあります。
「これの」はиз этого правила, в этом отношенииとしても可です。
Два человека составляли исключение от этого.
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正解です。体の使い分けについては、コーシカさんのところに書いた通りですが、意識して使い分けることが重要なのは言うまでもありません。