2012年10月19日
●和文解釈入門 第518回
初級者の人にとって体の使い分けというのは敷居の高いものかもしれない。理屈は和文露訳入門にも書いたので、もっと初級者がロシア語会話をする上で、実用的な体の使い分けを書いて見たい。10ヶ条挙げたが、とりあえず、最初の4ヶ条だけ覚えればよい。理屈が気になれば、それは上達の証なので、その時は和文露訳入門を読んでもらえばよい。
<体の使い分けの目安10ヶ条>
完了体は完了を、不完了体は反復とだけ覚えても、ロシア語会話をする上では体の用法が使えない。そこで、簡便な体の使い分けについて書いて見たい。通訳しているときには、1秒の何分の一かで単語を決めなければならず、概ねどのような体を選ぶか、体が覚えるまでにはこのような使い分けを覚えておくのも無駄ではないだろう。概ねということで、細かく言えば例外も出てくることもある。とりあえず、最初の4ヶ条を覚えればだいぶ違うだろう。その後で、残りの6ヶ条を覚えるとよい。例文やもっと詳しい説明については和文露訳入門の該当項目を示しておいた。
1. 過去を示す状況語(1年前、1965年、昨日など)があれば、完了体過去形を使う。アオリスト的用法で、和文露訳入門2-2-1参照。
2. 禁止や不必要には不完了体を用いる。禁止については、和文露訳入門3-2-4参照、不必要は和文露訳入門5-1-4 & 6-1-2参照。
3. 不可能には完了体を用いる。和文露訳入門3-2-3参照。
4. 規則的な反復や、多くの回数というニュアンスがあれば、不完了体を過去・現在・未来の時制、不定形で使う。命令法でも基本的にはそうなのだが、他の要素が強く出てくるので別に考えた方がよい。
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5. 何かあれば(起こるかもしれないし、起こらないかもしれないが、起こったら~する」という)ニュアンスがあれば、完了体未来形を使う。例示的用法で、和文露訳入門4-2-3参照。時制的には現在及び未来ということになる。
6. 過去から現在までの継続動作には不完了体現在形を使う。和文露訳入門3-1-3参照。
7. 動作が終わって、その結果が残っている場合は、完了体過去形を使う。結果の現存、和文露訳3-2-1参照。
8. 動作の有無だけに関心がある場合には、過去(和文露訳入門2-1-1参照)でも未来(和文露訳入門4-1-1-1参照)でも、不完了体を用いる。結果の有無を現在の時制で尋ねることはないはずである。
9. 不定法で具体的な1回の動作には完了体を用いる。чтобыの後には基本的には完了体が来ると覚える。不完了体が来るとしたら、研究するなどの期間を示す動作や、繰り返しである。和文露訳入門6-2-1参照。
10. 経験(~したことがある)は不完了体過去形を使う。和文露訳入門2-1-12参照。
設問)「7月13日の出来事について何かご存知ですか?」をロシア語にせよ。
Знаете ли вы что-нибудь о событиях, происшедших 13-го
июля ?
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正解です。わたしのより設問に近いかもしれません。私の回答は、Какие сведения имеете вы о происшествии 13 июля?