2012年10月11日

●和文解釈入門 第510回

(227) *「自叙伝」(5巻)、河上肇、岩波文庫、1996年
 河上肇(1879~1946)の自伝。村長の長男として生まれ、病弱ではあったが、幼少より根気強かったことが分かる。異母弟の暢輔が大砲を打つと言って、おなら一発の直後、ついでに実弾も畳の上に落として爆笑を得たのに、自分はそのような快活さはなかったなどと非常に客観的に幼少期を描いており、家族の慈愛に恵まれて成長したことがよく分かる。特に面白いのは幼少期と4年半の下獄の期間、特に同囚の人達についての描写である。留置場から刑務所に移るときに手錠を下され、編みがさをかぶらされて護送車に乗ったとあるなど1930年代の監獄の様子がよく分かる。人間味のあるそこはかとないユーモアのある文体である。河上は1924年にマルクス主義に徹底するために生命がけの飛躍を決意した。そして「マルクス主義こそが、またそれのみが、間違いもなく、この地球上に永久の平和をもたらすであろうことを、科学的真理として固く固く信じ」て死んだ。もう30年生きてソ連の収容所や経済の惨状を見たら何と言ったろう。ソ連はマルクス主義を誤ったというか、あるいは、河上らしく、思想の弁証法的発展により、誤謬に気がついたら学説を直ちに否定したろうか?多分否定して、別の学説に進んだろうと思う。ロシア語でエクスというのはボリシェビキなどの党の資金稼ぎの強盗を指す。スターリンもカモーなどに銀行強盗をさせ、海外のレーニンが何不自由なく生活できるよう送金をした。本書によれば日本でも日本共産党の起こした大森ギャング事件というのがあり、1932年川崎第百銀行支店に白昼ピストルを擬して三万円(現在なら1000万円くらいか)を強奪した事件で、河上の義弟大塚有章が首謀者だったが、実は警察のスパイ松村某(共産党中央委員だった)の仕掛けた罠にかかり、即一網打尽に逮捕されたという。日本のエクスについては1885年の自由党による大阪事件ぐらいしか知らなかったので勉強になった。本書によれば1921年「断片」という半ば小説のようなロシアのテロリストに関するものを発表し、即発禁になったが、これに触発されて難波大助が縁戚でもある伊藤博文がロンドンで買った仕込杖の銃で、1923年虎ノ門事件を起こした。巷説によれば罪を悔悟したことになり、無期懲役ということになっていたが、判決のときにコミンテルン万歳を三唱し、死刑となったと本書にある。たんなる売名行為のお坊ちゃんではなく確信犯だったようである。ただ、客観的に河上という人を見れば、人物も書いたものも面白く、人からは募われたようだが、人に対しては非常に冷たい人で、人が河上に尽くすのは当然であると、夜郎自大的に考えていた節があり、人間的には好きになれない。

設問)「貴国のスキーチームは何個メダルを取りましたか?」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2012年10月11日 07:23
コメント

Сколько медалей
ваша лыжная команда
приобрела ?
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正解です。私の答えは、Сколько меделей завоевала ваша команда лыжников?
メダルは獲得するものだとは思うが、具体的なものなのでполучитьも使える。しかしインタビューされる選手によっては、получитьだと努力が感じられないと嫌がる人もいるかもしれない。

Posted by ブーチャン at 2012年10月11日 07:53

Сколько медалей получила сборная лыжная команда вашей страны?
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正解です。

Posted by ゴ at 2012年10月11日 23:34
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