2012年10月04日

●和文解釈入門 第503回

東京外国語大学でロシア語の教科書作りを始めたということを聞いた。これは初めてロシア語に触れる学生向けということで、歓迎すべきことであり、できるだけロシア語を学ぼうとする人の数を増やさなければ、ロシア語の明日はないということは確かである。一方、東外大も含めて、既存の大学であまり熱心ではないように思われるのは、一度ロシア語に触れ、初級は終えた人が、なぜそれ以上続けずに、ロシア語の学習を放棄するのか、その人たちについて対策をあまり立てていないように思われる。新規の人ばかり目が行って、つまり袋の入り口を大きくしようとして、肝心の袋の端が漏れどころか、端の糸が全部縫い目が取れているような状態を放置しているとしか思えない。裾野を拡大するというのは、一旦ロシア語を始めた人にロシア語の面白さを伝え、中級や上級の人を増やすことにある。こういう人たちが新規の人たちの灯台のような役割をするわけである。初級程度の挨拶が通じたと喜んでいる程度のロシア語では、興味が長続きしないわけで、それに対応するような学習法、特に大学や語学の専門校を終えて、どうやって自習できるようにするかその和文露訳の参考書を整備すべきなのに、全くやっていないとしか思えない。常識的に考えると、これからロシア語を始めようとする人たちよりは、一旦ロシア語に触れたと言う人の数の方がはるかに多いはずである。いわばこれは今流行りの都市鉱脈である。ロシア語を仕事で使える人は限られているが、ロシア人と話す機会はかなり増えているし、チャットやスカイプという便利な機能もあるから、ロシア人そのものへの興味はあるはずである。このコーナーでやっているのは、初級からどうやって中級へ進むか、中級から上級に進む際の道筋を提示し、ロシア語そのもの(ひいてはロシア人)への興味を如何にかきたてるかと言う事にある。ロシア語を続けるコツはロシア人と話ができる程度の会話能力や語彙を身につけることである。それも挨拶程度の決まり文句ではなく、自分の趣味や考え方を相手に伝え、相手と意思を通じ合う事ができるようでないと続かない。そういう意味で、初級の参考書は非常に多いが、和文露訳に使えるような参考書は皆無である。このコーナーが少しでも、そのような人のお役に立つことを願っている。ロシア語とタイプすると、この頃頻繁に露最後と出て来る。何か不吉な予感がする。

設問)「この件をお決めになるのは御社です」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2012年10月04日 07:40
コメント

Решение об этом --- дело вашей компании.
何と言われようと、遅まきながら、これからは参加します!
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ご参加どうもありがとうございます。文法的には正しく、意味は通じると思います。私の答えは、Этот вопрос решаете вы.
Это ваше дело решать.でもよい。要は「あなた次第」ということなので、Как вам будет угодно.とか、Как пожелаете.とか、Делайте как хотите.でもよい。
なぜрешаетеと不完了体現在形が来るかというと、文の意味の焦点が動詞ではなく、御社にあるということ(和文露訳入門2-1-2参照)と、решить/решатьはписать/написатьの動詞群(和文露訳入門7-1参照)であり、完了体は結果達成の実現を指摘するが、不完了体の方は、一定の結果を得ようとして試みることで、必ずしも結果達成の意味はない、あるとしたら文脈で出てくるのみである。

Posted by at 2012年10月05日 00:02

Это дело решаете Вы.
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正解です。

Posted by Ml at 2012年10月05日 05:51
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