2012年09月17日

●和文解釈入門 第486回

(216) 「ドイツ宣教師の見た明治社会」、C・ムンチンガー、生熊文訳、新人物往来社、1987年
 1890年より5年間日本に滞在したプロテスタントの宣教師ムンチンガー(1864~1937年)の日本人論。日本人には独創力がない、日本人が好きなのは現実のこととか具体的な事柄で観念的なことには弱いなど是非こもごものところもある。日本語に堪能な人だったゆえ、日本語は受動態を避ける、日本語には未来形がなく、未来は不確定を表す形で表現する、それは現在と過去は経験から言って現実を含むからだ、いったい何が問題になっているか最後の言葉(多くは動詞)まで分からないが、文は最後の単語まで聞き手の注意を引き付けるとか今から見てもなるほどと思う知見が多い。日本語とドイツ語の違いについても具体的に説いているが、当時の日本語と現在のでは、よほど現代の日本語がドイツ語に近づいているような気がする。

(217) 「薩摩国滞在記」、H.B. シュワルツ、島津久大・長岡祥三訳、新人物往来社、1984年
 1893年から1915年まで米国メソジスト監督教会の宣教師として弘前、長崎、鹿児島に在住した。本書は薩摩国滞在記と題しているが、内容は薩摩、琉球、長崎、秋田、長崎に分かれていて、手際良くその地方の特徴が簡潔な文章で描写されている。特に薩摩については薩摩人は行動の人で、思考の人ではないとか、日本の他の地方の人が知りえないことまでもよく書いているし、薩摩以外でも宿屋の茶代は料金の1/3ぐらいで、使用人のチップではなく、宿の主人の心付けであり、茶代の領収書が出されるというのは知らなかった。

設問)「この行き(思い)違いは荷受人のせいで生じた」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2012年09月17日 06:13
コメント

Это недоразумение
создалось по вине
(причине)
грузополучателя.
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正解です。前にも書いたと思うのですが、по причине + 生格は、官僚用語みたいなもので、会話では使わない方がよいと思います。厳密に言えば、レーマ(新情報)を示すもので、今回の設問では問題ないのですが、使い方が難しいと思います。その辺のロシア人に見せたら、まず、他の理由を示す前置詞句や接続詞に直される可能性が大きいと思います。私の答えは、Это недоразумение произошло по вине грузополучателя.

Posted by ブーチャン at 2012年09月17日 07:10

Это расхождение во мнениях произошло из-за грузополучателя.
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構文は正しいのですが、お答えは「意見の食い違いが荷受人のせいで生じた」で、設問の「行き違い、思い違い」は、誤解であって、それとは違うと思います。

Posted by аяка at 2012年09月17日 10:41
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