2012年09月13日

●和文解釈入門 第482回

(213) 「ドイツ歴史学者の天皇国家観」、ルートヴィッヒ・リース、原潔・永岡敦訳、新人物往来社、1988年
 ルートヴィッヒ・リース(1861~1928)はユダヤ系ドイツ人で、1887年来日、日本人を妻に迎え、1902年まで東大史学科で歴史学を講じた。ドイツのランケの孫弟子であり、すべて確実な史料に基づいてのみ歴史を叙述するという考え方であり、価値観を持って歴史の各時代を考察してはならないということでもある。本書は日本滞在中の出来事についての印象を述べたものである。日露戦争直前ニコライ堂が建設されたときに、皇居の小尖塔よりも高いのが日本人の反感を買ったとか、正教に改宗した日本人は精神的にはツァーの手下だという流言があったことが分かる。英国詩人エドウィン・アーノルド(1832~1904、「アジアの光」)曰く「日本人は普通の人間的特徴よりはむしろ、鳥や蝶のような特徴を持っている。彼らは人生というものを決して真剣に受け止めようとはしないし、そのような能力もない」ということに強く反論しているのも頼もしい。

(214) 「ウェストンの明治見聞記」、W・ウェストン、長岡祥三訳、新人物往来社、1987年
 日本登山界の恩人ウェストン師(1861~1940)の手記。ウェストンは英国聖公会宣教師で1888~1895年、1902~1905年、1911~1915年の3度訪日した。熊本、神戸に在住し、日本アルプスなど登山した。本書は日本の農村も踏まえた上での日本論であり、「日本人は自然に対する愛着の強い民族である」とか、「日本の農村では婦人が非常に重要な役割を果たしており、主婦が一家の財布を握り、実際に家庭を支配することが多い」とか、混浴についても、日本らしい日本では、裸体を見てもよいが、見つめてはいけないとあるなど卓見が多い。寺田寅彦随筆集(5巻、岩波文庫、1946年)の第1巻で寺田寅彦(1878~1935)がモンブランでそのあたりに当時住んでいた、見ず知らずのウェストンから声をかけられ、自分は日本に住んだことがあり、随分登山もしたと話したとある。奇縁であろう。

設問)「この日付を契約調印日と見なすこと(べきである)」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2012年09月13日 06:33
コメント

Эта дата считается
датой подписания
контракта.
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正解です。私の答えも、Эта дата должна считаться датой подписания контракта.
日付というのは国語辞典では記載した年月日のことだから、датаのことである。

Posted by ブーチャン at 2012年09月13日 07:49
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