2012年08月20日
●和文解釈入門 第458回
全体の与格については第30回の設問で取り上げ、和文露訳入門でも10-7に全体を示す与格という小見出しをつけて再録してある。日本語文法でも持ち主の受け身文というのがあって、「私の手はイヌにかまれた」とは言わずに、「私は手をイヌにかまれた」とするとある。動作を受ける非情語(無生物という事で、不活動体名詞と考えてよい)が主体の所有語の場合、持ち主の受け身文にするとある。これを露訳すると、ロシア語では受け身にはならず、能動文で示すことになると思う。Собака укусила мне ногу (в ногу, за ногу). こういう点は偶然文法的に似ている点である。ちなみに力点はзаに来る。
設問)行列に並んでいて、何かの理由で行列を離れる際に、「この席を取っておいてください」をロシア語にせよ。
(1) Простите,
я на секунду отойду.
(2) Простите,
я скоро приду.
(3) Будьте добры,
оставьте мне это
место.
--------------------------------------
実用的には(1), (2)で通じると思います。(3)が設問に一番近いような感じがしますが、こうは言わないでしょう。私の答えは、Скажите, пожалуйста, что это место занято.
Извините, это место занято.なら、<すみません、この席はふさがっています、ここは人が来ます>
Занимайте за мной.
-------------------------------------
занимать мне (для меня)なら、文法的には可能ですが場所の補語がありません。за + 対格なら「~の代わりにとなります。
Займите мне очередь, пожалуйста.
---------------------------------
文法的に言うなら、занять место в очередиでしょうが、そうは言わないでしょう。