2012年08月04日
●和文解釈入門 第442回
和文露訳入門で読んでいただきたいのは、時制や法、あるいは、歴史的現在とか伝達型動詞などは当然なのだが、筆者としては、8-4 「知る」と「考える」の動詞群の意味の差異が、これまで触れられてこなかったようなので、初級の学習者のにとっても大いに参考になると思う。これについては、実は第33回の回答のところにあるのとほぼ同じなので、ご興味ある方はどうぞ。単数と複数については、これまでに書いたものをまとめて分かりやすくした。
設問)「イワノフさんが来たら、お待ちするよう言ってください」をロシア語にせよ。
Когда придет господин Иванов, передайте ему, чтобы ждал.
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出題のポイントの完了体未来形の順次的用法はクリアしているからいいようなものですが、和文露訳入門の6-2-6-1にも書いたように、「目的の意味の接続詞чтобыが従属文で用いられるときも、完了体不定形が用いられる。これは目的の従属文は動作着手のニュアンスを許容しないからである」ということと、ждатьだと、ほんの少しというニュアンスはないわけです。емуのあとにподождатьとした方がよいと思います。6-2-6-1にはчтобыを使った例と、使わない不定法だけの例が書かれています。もっと厳密に言うと、чтобы以下に目的の意味で不定詞が来る場合でも、否定の場合は不完了体が来ますし、不定詞ではなく文が来る場合は、否定の場合は不完了体、願望の場合は動詞の意味によって不完了体が来ることがあります。私の答えは、Если придёт господин Иванов, попросите его подождать.
完了体未来形の順次的用法。動作が順々に行われる様子を示すことが出来ます。