2012年07月15日
●和文解釈入門 第422回
投稿者のchijikpijikさんの親切なお勧めもあり、電子書籍として「和文露訳入門」を刊行したいと考えている。しかし、自分では電子書籍を利用したこともないし、その予定もない。電子書籍作成についてはePubというのが世界標準になりそうな気配だが、まだ分からない。今年の後半あたりがやまなのだろう。基本的にとりあえずPDFにするのが無難そうな気がする。一応、年末までには2冊を電子書籍化する予定で、まずは和文露訳入門の刊行を考えている。
1) PDF化かePub化か
PDFの方が簡単だが、拡大の仕方が虫めがね方式というような欠点もある。自分は電子書籍の読者ではないので、見やすさという点から言えば、原稿をePubにした方がよいのかもしれない。PDFについては翻訳原稿をPDFで貰うので、どういうものかは分かるが、開いて見るのがコンピューターの比較的大きい画面なので、スマホやiPad、タブレットなどで読む場合どうなのかが分からない。ePubは閲覧するだけならAdobe digital editionsをインストールすれば読めるから、これで作ってもらおうかとも思う。自分では作れないので業者に頼んだ方が安上がりだし、安全だからだ。今後はePubが主流になると言われているので、そういう事も頭にある。PDFなら簡単にコピーされてしまうだろう。この点につき皆さんのご意見をうかがいたいものである。
2) 原稿のサイズ
紙の本を出版する際には、出版社から横何文字、縦何文字と原稿の指定が入る。私は本を書く人(作る人であって)、私の本の読者ではない。それに、iPadやスマホ、タブレットも持っていない。となると、読む媒体にもよるだろうが、横何文字、縦何文字で原稿を作ればいいのだろう?何かアドバイスを。
今のところ、これらの疑問が湧いたので、何かアドバイスがあれば、ご一報願います。現在「和文露訳入門」を校正中ですが、上記の問題は電子書籍作成上避けては通れない問題であり、上記の他に、何か気をつけておくことがあればコメント願います。うまくゆけば、2カ月以内に1冊電子書籍を上梓し、その後4冊ぐらいは年内に出せるのではないかという期待を持っております。
設問)「ドアにカギがかからない」をロシア語にせよ。
(1) Дверь не запирается на ключ.
(2) Нельзя запереть
дверь ключом.
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設問の正解として一番ふさわしいのは(1)だと思います。(2)だと動作主側の事情という風にも取れます。私の答えは、Дверь не запирается.
Не закрывается дверь.は「ドアが閉まらない」で、Не открывается окно.は「窓が開かない」。
設問は無生物が主語での否定であり、動作が初めから起こらないことを示すことにより、実質的に不可能を示している。ся動詞の不完了体における受け身の用法で不可能を示すことができることになる。もっともся動詞の受け身の主語には、意思を持つ主体(人や動物など)は来ることができないという欠点もある。日本語の場合「~しない」は意志を示し、動作のないことは「~していない」である。「学校に行かない」と「学校に行っていない」の差である。主語が無生物の場合は設問のように、ロシア語に似て、不可能を表せるというのは面白い発見である。
Не могу запереть дверь.
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これだと「私はドアに鍵をかけることができない」という、設問の訳の一部にすぎないことになります。設問はだれがやってもかからないということです。
Нельзя запереть дверь.
iPad は毎日使っていますが、電子書籍は読んでいないのでよくわかりません。いろいろ大変そうですがおもしろそうですね。普通にネット検索などで使う場合は文字の拡大や縮小が瞬時にできるし、拡大した場合は iPad を横に持って読めば縦よりも文字数が入るのであまり文字数について気にしたことがありませんでした。ところで、電子書籍化した場合でも出版社から声がかかれば紙の本にもなりますか。
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まずご回答から。正解にしてもいいのですが、動作主の存在が感じられます
ブログのアクセス数が多くて、それで紙の本になるというのもよく聞く話ですし、電子書籍から紙の本になった例もあるようです。電子書籍のいいところは、ページ数を気にせず、作れることです。<和文露訳入門>の原稿も、読みやすさを追求した結果(要するに改行でスペースを取ったので)、A4で160ページくらいになっています。これはB5だと350ページくらいで、私の本はイラストも写真もない単純な作りですが、紙の本なら3,500円くらいになります。これでは買う人がいないでしょう。紙の参考書だと2000円前後に抑えるということを出版社としては考えざるを得ないと思います。出版社から声がかかれば、喜んで紙の本にしてもらいますが、内容的に価格の関係上1/3は削除ということになりそうです。そうなると、この本の表題を維持するためには、少なくとも3つの時制と、命令法と不定法だけは最低載せてもらわなければということになります。
電子書籍については、まあB5版で、ePubを使うというふうにすれば、iPadで実現できているような読みやすさは確保できるということでしょう。
電子書籍では、紙の本と違い、章ごとに改ページをしない方が読みやすいのではないかと思います。それと、改ページの指示がePubなどでうまく行くかという点もあります。ですからよけいなことはせず、改ページなしで、章をつなげてゆく形にしようかと思います。目次にページ数さえ書いておけば、そこに飛んでもらえばいいわけですから。
いつも勉強させていただいています。
電子書籍「和文露訳入門」の刊行も大いに期待しています。
さて、和文解釈入門で、これまでにいろんな「まとめ」を出しておられますが、何回目を見ればよいか、どこかに記していただけると便利ではないでしょうか。
例えば、第300回=「完了体と不完了体の用法まとめ」などのように。
ほかにも「まとめ」があったと思いますが、何回目なのか覚えていません・・。
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わざわざお便りどうもありがとうございます。未来の時制の動作の有無の確認については第370回を、未来の時制の予定については第345回を、それ以外は第300回が一番まとまっています。ただ第300回の本文を見れば分かりますが、これこれについては第~回を参照などが多く、書いた本人ですら、再読する気になれません。第1回からずっと本文を読んでくれているという奇特な人がいれば別ですが、いきなり第300回だけ見てもよく分からないと思います。これは書きながら、どうすれば体の用法の説明を他の学習者に分かってもらえるかという試行錯誤の結果なのです。それで、これまでの成果を一つにまとめて「和文露訳入門 -ロシア語会話上達のために -」を電子書籍化しようとしているわけです。今推敲をしているのですが、分かりやすいようにするためにかなり順番を入れ替えたり、書き加えたりています。今週中には目途をつけて、来週にはePub化し、遅くとも8月上旬までには電子書籍発売ということにしたいと思います。これがうまく行けば、次は、ロシア語観光ガイド用に、「ロシア人の疑問」という75の項目別に露和のテキストを9月に刊行し、その後、和露基本類語集の刊行を考えています。今のところ原稿だけで5つぐらいありますから、年内に全部出したいと思っています。