2012年07月03日
●和文解釈入門第410回
露文解釈する露文はロシア人の作ったものだから文法的には一応正しいとみな考えるが、和文露訳のときに日本人が作った露文に対しては半信半疑である。そういう意味で露文解釈のときに抱くような信頼感が和文露訳にはない。ここのところが露文解釈と和文露訳の気持ちの持ちようの違いである。これは母語話者至上主義というもので、通訳ないしは翻訳するという観点が抜け落ちている。露文自体が文法的に正しいかということのみならず、いかに和文を露訳に反映させているかが大事なのだという事に目を向けないといけない。
設問)「リュージュをやる前には、どんなスポーツをなさっていましたか?」をロシア語にせよ。
Какими видами спорта
вы занимались до тех
пор, пока вы не
начнете тобогган ?
---------------------------------------
設問は現在リュージュをやっているか、やっていたかということです。となるとначнётеと完了体未来形を使うのはおかしいということになります。私の答えは、Каким видом спорта вы занимались до прихода в санный спорт?
Каким видом спорта Вы занимались до санного спорта?
-----------------------------------------------
これでも簡潔でよいと思いますが、до以下には動名詞か動名詞的な名詞をつけたほうがよいような気がします。доは出来事や現象が時間的に先行する場合を示します。もちろんОн выступил до меня.(彼は私の前に発言した)やдо Пушкина(プーシュキン以前)という例もありますが、前者は潜在的動作主を、後者は現象と考えてよいでしょう。